エクスペディア・グループは、2024年の旅行トレンド「Unpack ’24」を発表した。「Unpack ’24」は、エクスペディア・グループ内のデータに加え、日本を含む世界14地域における2万人の旅行者を対象としたグローバル調査結果に基づいて、2024年の旅行トレンドをまとめたもの。主なトレンドを6つあげている。
1つ目のトレンドは、テレビ番組や映画の影響で旅行先を選ぶ「ロケ地巡り旅」。調査によると、半数以上(53%)が「テレビ番組や映画の影響で旅行先を調べた、もしくは実際に旅行を予約した」と回答。日本人の回答に限定すると、影響元として最も多かった回答は「バラエティやドラマなどのテレビ番組(49%)」、次いで「本(38%)」「ストリーミングサービス(16%)」となった。
データをもとに「ロケ地巡り旅」の目的地として2024年に人気を集めると予想されるエリアとして、タイ、ルーマニア、マルタ、パリ、英国(ロンドン、バース、ウィンザー)、韓国を挙げている。
2つ目は、手頃で人混みが避けられる旅先、メジャー旅行先の「そっくり観光地」。そっくり観光地」への旅行経験について、8割が「経験あり」、もしくは「経験はないが、してみたい」と回答。日本人においても、7割以上(73%)の人が同様に答えた。
例えば、過去1年間では、ソウルの「そっくり観光地」として台北、バンコクではパタヤ、ロンドンではリバプール、ツェルマットでは札幌などの検索数が増加した。
3つ目は、好きなアーティストを追う「音楽ツアー旅行」。旅行者の7割近く(69%)が「好きなアーティストのコンサートのために遠征したい」と回答。さらに、3割近く(28%)が地元で行くコンサートよりもチケット代が安価であればコンサート遠征をしたいと考えていることがわかった。日本においても、半数以上(56%)が「遠征したい」と回答した。
4つ目が旅行中にアルコールを控えて楽しむ「ノンアル旅」。4割以上(41%)の人が「来年はデトックス旅をしたい」と回答、半数(49%)は「アルコールフリーのドリンクを頼みやすいホテルでの宿泊に関心がある」と答えた。その一方で、次の旅行でのアルコール摂取量を「増やす」と回答したのは、韓国では57%、アメリカで46%、日本では25%だった。
5つ目は、「雰囲気重視」のホテル選び。「雰囲気(vibe)」という言葉を使うクチコミの数は前年比で平均1090%増加しており、今回の調査では92%とほとんどの人が「予約の際にホテルの雰囲気を重視する」と答えた。その雰囲気について、日本人は、6割以上が「落ち着いた雰囲気(65%)」と答え、「自然を満喫できる雰囲気(34%)」が続いた。
6つ目は、旅行における「生成AI時代」。今後の生成AIの活用について、グローバル全体の半数(50%)の人が「旅行予約時の生成AIの活用に興味がある」、69%が「生成AIは旅程のプランニングに役立つ」と回答。日本人においても、37%が旅行予約時の生成AIの活用に興味があり、半数以上(67%)が生成AIは旅程のプランニングにとても役立つと考えていることもわかった。
さらに、世界全体の4割近く(39%)の人が「最適な宿泊先を見つけるために生成AIを活用したい」と回答。35%がアクティビティや現地ツアーのプランニング、33%がフライトの比較、20%が旅程の変更やキャンセルに利用したいと答えた。