国際的な市場調査会社ユーロモニターインターナショナルは、「2023年トップ100都市デスティネーション・インデックス(Top 100 City Destinations Index 2023)」レポートを発表した。これは、世界の100都市を観光に関する6つの主要分野(経済・ビジネスの実績、観光パフォーマンス、観光政策と魅力度、観光インフラ、衛生・安全、持続可能性)を、合計55の指標を用いて比較し、観光都市としての魅力を総合評価したもの。
それによると、2023年に世界で最も魅力的な観光都市であると評価されたのは、2021年、2022年に続きパリとなった。東京は2022年の20位から4位に急上昇。そのほか、大阪も前年の42位から16位に大きく順位を上げ、京都が27位、札幌が58位、福岡が61位となった。
トップ20のうち欧州からは12都市がランクイン。また、上位100都市の中にはワシントンDC、モントリオール、サンティアゴ、 アルマトゥイ、ヴィリニュスの5都市が初めてランクインした。
一方、オーバーツーリズムで対策に追われるアムステルダムは前年の3位から5位に順位を下げた。
ユーロモニターでは、今回のレポート発表にあたり、世界の旅行者は、旅行先での高速インターネット、柔軟な予約オプション、快適なテレワーク環境を求めていると分析。世界の観光都市は、DX構築や交通網の整備などを通じて観光サービスを改善し、シームレスなカスタマージャーニーの提供に力を入れているとしている。
また、ユーロモニターのサービス&ペイメント産業調査チームでシニアプロジェクトマネージャーを務めるナデジャ・ポポバ氏は、2024年以降の旅行市場について、生活費の上昇とインフレ、地政学上の不確実性をリストくとして挙げたうえで、「地域内の旅行需要が高まるのではないか。また、旅行者は、サステナブルな観光に加え、本物のローカル体験を引き続き求めていくだろう」との見解を示している。
2023年トップ20観光都市は以下の通り(カッコ内は前年順位)
- パリ(1)
- ドバイ(2)
- マドリード(4)
- 東京(20)
- アムステルダム(3)
- ベルリン(8)
- ローマ(5)
- ニューヨーク(10)
- バルセロナ(9)
- ロンドン(6)
- シンガポール(15)
- ミュンヘン(7)
- ミラノ(12)
- ソウル(26)
- ダブリン(18)
- 大阪(42)
- 香港(36)
- ウィーン(16)
- ロサンゼルス(14)
- リスポン(13)