2024年の世界の旅行トレンド予測発表、一部のみラグジュアリー旅行や、偶然旅行など

ブッキング・ドットコム(Booking.com)は、世界33カ国地域の旅行者2万7000人超を対象に「2024年の旅行に関する調査」を実施。これをもとに、同社独自のデータと知見で考察した、2024年の7つの旅行トレンド予測を発表した。

それによると、従来、旅行は日常から抜け出す手段と思われてきたが、同調査の結果からは「Travel is LIFE」の考え方へと変わっていく予兆が見える。「旅は最高の生き方をするためのきっかけである」という旅行者の考えが反映されたものとなったという。

また、7つのトレンドのなかには、節約術を駆使しながら、一部のみぜいたくを取り入れ、旅をグレードアップする「アラカルトラグジュアリー」や、地球の「猛暑」に対応した涼しい旅を求める旅行、自己改善を主な目的にとする「スリープツーリズム」という新たなトレンドもあがった。

調査結果から予測された2024年の旅行トレンドは以下の通り。

1. もう1人の自分・主人公の私を楽しむ旅

調査では、「旅先では誰も自分のことを知らないため、いつもと違う自分になれるところが好きだ」との回答が世界の旅行者で62%、日本の旅行者で44%に。また、「休暇中の自分は最高の自分の姿であり、さまざまな抑制を振り払い、自身の新しい側面を大切にすることができる」との回答は世界の旅行者68%、日本の旅行者は67%だった。

このことから、旅先で最高の「もう一人の自分」になって、より生き生きとした時間を楽しむ旅行者が増えると考察した。

2. 涼しい場所、生きている実感に触れる旅

世界中が記録的な猛暑となる昨今、体力を回復してリフレッシュするために、涼しい場所を求める旅行者は急速に増加している。「気候変動が2024年の休暇の計画に影響を与えるだろう」と回答した世界の旅行者は51%、日本の旅行者は41%だった。

また、「住んでいる地域の気温が上昇しているため、休暇では涼を求める」は、世界の旅行者で56%、日本の旅行者で39%となった。

3. 偶然に導かれる、発見に満ちた旅

事前に旅行計画を確定しない、なりゆきに任せた旅が流行すると予想。

調査によると「到着するまで目的地さえも知らされない、サプライズトリップを予約してみたい」と回答した世界の旅行者は52%、日本の旅行者は24%だった。「その場で気が向いたことができるように旅行計画は柔軟に立てたい」は世界の旅行者で69%、日本の旅行者で66%だった。

4. 五感で味わい、風土を想う食体験

グルメな旅行者は、旅先の食文化を深く掘り下げたり、伝統料理など真の職人技に関心を寄せ、現地の歴史や地理的特性に沿ったガストロノミーツーリズムに興味を持っている。

「今まで以上に、旅先の名物料理のルーツを知りたいと思っている」と回答した世界の旅行者:61%、日本の旅行者は41%。「2024年はVRやARで進化した没入型の『フィジタル』(現実とデジタルの融合)な食体験をしたい」と回答した世界の旅行者は46%、日本の旅行者は21%だった。

5. 一部分のみラグジュアリーで叶える旅

生活費の高騰を背景に、2024年は節約術を駆使して費用を抑えながら、一部分のみ「アラカルト」でぜいたくを取り入れて旅をグレードアップし、わずかなひと時で高級感を満喫する旅行者が増えると予想。「AIには、旅をアップグレードできる付帯サービスやお得な情報についてアドバイスをしてほしい」と回答した世界の旅行者は56%、日本の旅行者は41%だった。

また、「2024年はコスト削減のために、近場で費用をかけずにぜいたくを味わえる旅先を探したい」というお金をかけないぜいたくな旅行を求める旅行者は世界で43%、日本で27%となった。「2024年は住んでいる地域よりも物価が安い場所を旅先として選びたい」との回答も世界の旅行者で50%、日本の旅行者で25%。

6. 美意識をアップデートする旅

ホテルやユニークな宿泊施設では、環境や社会の課題に対して、革新的でありながら美的感覚に訴えかける解決策を示す動きが、高まりつつある。

サステナブルな取り組みに関する興味も高まっており、「革新的で素晴らしいサステナブルな取り組みを行っている宿を探したい」と回答した世界の旅行者は53%、日本の旅行者は24%となった。また、「サステナブルな取り組みが実践されているところを見たい」と回答した世界の旅行者は60%、日本の旅行者は49%だった。

7. よりよい明日へとつながる旅

自己改善を主な目的とする旅の傾向を予測。睡眠コンシェルジュや最先端のテクノロジーを活用した「スリープツーリズム」という新たなトレンドも。

「2024年は深い眠りを得ることを目的とした旅をしたい」と回答した世界の旅行者は58%、日本の旅行者は51%。「自分の活力回復を優先し、子どもやパートナーよりも自分を優先した一人旅を計画している」は世界の旅行者58%、日本の旅行者35%だった。

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