【年頭所感】阪急交通社 代表取締役社長 酒井淳氏 ―新たなステージに向けて「大胆なチャレンジの年」に

阪急交通社代表取締役社長の酒井淳氏が、2024年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

酒井氏は2024年について、コロナ後の新しいステージに入る一年と位置づけ、国内旅行や訪日旅行それぞれの目標や方針を提示。創意工夫と機動力をもって、顧客の需要に対応できる商品や人材確保に取り組む方針を示した。回復途上にある海外旅行については、需要の多様化に対応した商品開発や仕入れ、新たな顧客層の開拓が重要な課題になると定義。柔軟に対応しながら大胆なチャレンジを進めていきたいとの意欲を示している。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


新年を迎えて

謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の5類移行で、日本の景気は回復が進み、物価高の影響を受けながらも個人消費は概ね堅調です。旅行業においては、コロナ禍の約3年にわたり厳しい事業環境が続きましたが、国内旅行は、付加価値の高い商品の開発や、政府の需要喚起策に連動した取り組みを進めた結果、拡大させることができました。

一方、海外旅行は未だ回復途上にありますが、2024年は、辰年に因んで大空に駆け上がる昇り竜のごとく、新たなステージに向けての「大胆なチャレンジの年」と位置付けます。コロナ後の新たな社会環境の中で、需要の変化に柔軟に対応しながら、事業基盤の安定化を目指します。今後の旅行市場においては、需要の多様化に向けた商品開発と仕入、それに伴う新たな顧客層の開拓が重要な課題となります。また、新たな環境においても、日頃から取り組んでいる顧客接点の強化をより重視し、お客様満足度の一層の向上を図ります。

国内旅行においては、宿泊施設やバス、航空機の仕入環境が一層厳しくなることが予想されます。また、コロナ禍を契機に、「プレミアム消費」の傾向も現れています。創意工夫と機動力をもって、お客様に求められる価値を備えた企画性の高い商品をタイムリーに提供できるように進めます。

海外旅行においては、円安と燃油の高水準がしばらく続くことが予想されるなど、事業環境としては決して良くはありませんが、2025年の完全回復に向けて、2024年はその弾みとなる成果を積み上げる重要な年と捉えています。航空会社や現地取引先、各国観光局などとの連携を深めて、価格に見合った価値と品質を備えた、需要喚起につながる商品を投入し、海外旅行の再活性化に繋げてまいります。

訪日旅行は、円安の追い風もあって急速に回復が進んでおり、市場はコロナ前の需要を上回っています。2025年には関西万博も控えており、2024年は好環境を活かして着実に取扱いを増やすべき部門と考えています。人材確保はもとより幅広く営業活動を展開していきます。

官公庁・自治体関連事業は、コロナ後の新分野の受注も進んでいますが、さらなる体制強化のもと、機敏に需要を察知して新しい課題解決サービスを提供できるように取り組みます。

2024年は、コロナ後の新しいステージに入りますが、創業76年で培った信用と信頼を基盤に、これからも常にお客様に対して誠実であり続け、社会に必要な企業としてご支持いただけるように努めてまいります。

株式会社阪急交通社

代表取締役社長 酒井淳

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