日本酒造組合中央会は、2023年(1~12月)の日本酒輸出総額が前年比13%減の410.8億円、数量は同19%減の2.9万キロリットルだったと発表した。財務省の通関統計で、2022年まで13年連続で輸出金額が過去最高を更新し続けていたが、約半数を占める中国とアメリカの減少が響いた。ただ、輸出先国数は75カ国で増加している。
国別の輸出金額トップは中国で同12%減の124.7億円。中国における日本酒は高級酒として富裕層中心に人気があり、レストランに持ち込むスタイルがみられていたが、景気後退や日本産水産物輸入停止で減少した。一方、伸びたのは韓国の15.1%、29億円、台湾の20.5%増、26.8億円など。また、輸出数量トップはアメリカの28.4%減、6502キロリットル。在庫調整やインフレが影響した。
海外における日本酒の認知度はまだ低い国や地域が多く、販路も日本食レストランに偏在しているという。そのため、同会は伸びているインバウンド需要からの取り込み、海外での日本食の枠を超えた現地レストランへのアプローチに注力していきたいとしている。