オーストリア・ウィーン市、地元体験できる観光を訴求、中国の富裕層や欧米の成熟した旅行者を呼び込み

写真:ロイター通信

オーストリアのウィーン市は、従来の物見遊山的な観光ではなく、ウィーンの生活を体験する観光を訴求することで、より成熟した観光客を呼び込もうとしている。例えば、オペラハウスを見学するのではなく、プロの音楽家からレッスンを受ける。バスツアーで市内を巡るのではなく、博物館の館長と一緒に展示を見て回る。そのような体験だ。

ウィーン市観光局CEOのノルベルト・ケトナー氏は「一般的なマスツーリズムとは異なる特別にパーソナライズされた体験に対する需要が高まっている」と話し、そのアプローチの背景を説明する。ウィーンを訪れる観光客の半数以上はリピーターだという。シュテファン大聖堂やホーフブルク宮殿などの有名建築だけでないウィーンを体験したいと考えている人は多い。

そのため、ウィーン市観光局は、新しい「本物」のウィーンを体験してもらうキャンペーンを展開。市中心以外のエリアをプロモーションしている。

この戦略は、特に中国の富裕層をターゲットにするが、米国、フランス、ドイツ、アラブ諸国に向けても同様の訴求を強めていく考えだという。

2023年1月~11月のウィーン市の宿泊収入は11億ユーロ(約1750億円)で過去最高となった。観光局によると、2023年の宿泊者数は、前年比31%増の1730万人。これは、パンデミック前2019年の98%になる。

※ユーロ円換算は1ユーロ159円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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