日本旅行は、2023年12月期(2023年1月1日~12月31日)の連結決算を発表した。期間中、ツーリズム事業ではJR西日本などJR各社との連携のもと国内旅行の取り扱いを拡大し、海外旅行ではオンライン中心に事業を展開。インバウンドではコロナ禍からの回復や円安を背景にした需要の取り込みに注力した。その結果、売上高は前年度比125.8%の2288億600万円を計上した。
営業利益は同141.3%の94億5700万円、経常利益は同135.3%の101億700万円、当期純利益は同103.4%の83億9300万円となり増収増益を達成した。
部門別では、国内旅行は「赤い風船」の売上高が同135.6%の811億5500万円、国内団体が同122.3%の622億3300万円、JR券や国内航空券の単品商品は同128.2%の47億5900万円。これにより、国内旅行の売上高は同129.5%の1481億4800万円、売上総利益は同127.7%の270億8400万円となった。
海外旅行では、団体旅行および企業出張などの単品商品で需要が回復。売上高は同536.8%の140億8400万円、売上総利益は同369.2%の24億8000万円となった。
インバウンドでは、円安基調や国際航空便の回復を背景に個人・団体ともに需要が急回復。売上高は同751.1%の202億7600万円、売上総利益は同757.4%の51億7400万円となった。
このほか、受託事業では、JR西日本グループやアライアンスパートナーとの連携により新たなソリューションの提案に取り組んだが、ワクチン接種事業が順次終了したことから、売上高は同59.2%の267億2600万円、売上総利益は同76.8%の123億円となった。
ツーリズム事業では今後、大手OTAを含めたアライアンスを通じて、JRセットプランを基軸としたウェブ販売の拡大を図るとともに、JR西日本をはじめとしたJR各社との連携を一層強化し、デジタルツーリズムの実現に取り組むとしている。
2024年4月から大卒初任給を引き上げ
日本旅行は2024年4月から初任給の引き上げおよび若手社員の給与改善を実施する。
大卒初任給(22歳東京勤務)は昨年度までの20万5200円から24万円に引き上げ、34歳までの若手社員については、初任給の引き上げに応じて改善していく。また、ベテラン層の活躍促進に向けた活躍に応じた手当の支給や、現在の社会情勢に即した各種手当の改善を実施する。