桜のシーズンが始まった日本への観光客が増加するなか、海外で訪日旅行を扱う旅行会社はツアーの調整に追われている。
ケンジントン・ツアーズ副社長のケリー・トーレンス氏は「顧客に対して、桜の季節は大変混雑しており、さまざまな困難もあることを伝え、この時期は日本に行くことを避けるべきだと伝えている」と話す。
一部の旅行会社は、観光客の少ない地域への分散を進めている。イントレピッド・トラベル・アメリカ担当社長のマット・ベルナ氏は、「桜が美しく、観光客の数が少ない小さな公園は他にもいくつもある」と話す。
高まる需要のなか、一部の旅行会社は早めに人員を増やす必要に迫られた。タビナカ体験予約のKKdayは、人手不足を考慮して、バスとガイドの手配を早めた。昨年の桜のシーズンは、コロナ禍で多くの英語ガイドが職を離れたため、サービス提供に大きな課題が残った。
トーレンス氏は「日本は本当に準備不足で、サプライチェーンが混乱していた。日本ではもう二度とこんな経験はしたくないと考える人は多い」という。
物価高への懸念、地域住民を悩ませるマナー違反
日本へのインバウンド市場は活況を呈している。 日本政府観光局によると、2月の日本への訪問者数は280万人で、2019年同月比で7.1%増加した。
KKdayによると、需要が増加していることから、バスやガイドの料金が大幅に値上がりしているものの、それをそのままツアー代金に転嫁するのは難しいという。
ベルナ氏は「コストは、日本全国で年間を通じて上昇している。特に桜の季節には特に上がる」と明かす。
日本では、訪日客が増加する一方で、観光客に対する地域の不満も高まっている。観光客のマナーの悪さはさまざまなニュースで取り上げられているところだ。
ベルナ氏は「一部の地域は実際に非常に混雑し、民家の前で写真を撮ろうとする観光客に困惑している。ある自治体では、一部エリアで観光客の立ち入り制限を検討している」と指摘した。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「Skift」から届いた英文記事を、同社との正規提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:Japan’s Cherry Blossom Boom Forces Tour Operators to Adjust
著者:Dawit Habtemariam氏