欧州3位のツアーオペレーターFTIグループの親会社であるドイツの旅行グループ「FTI Touristik」が破産を申請した。同グループは6月3日、ミュンヘン地方裁判所に破産手続きの開始を申請したと発表した。同社は、現在、出発している旅行者の旅程が予定通り進むように尽力しているとともに、今後新たに出発するツアーは6月4日から実施できなくなるか、あるいは部分的にしか実施できなくなる可能性があると明らかにしている。
同社は、コロナ禍中にドイツ政府から総額5億9500万ユーロ(約1012億円)の援助を受けていたことから、経営に不安はないとみられていた。
今後、米国の金融投資家セルタレスが率いるコンソーシアムが、FTIグループを1ユーロ(約170円)で買収し、同社に1億2500万ユーロ(約213億円)の新規資本を注入する予定。
FTIによると、最近の予約額は予想を大きく下回った。さらに、多くのサプライヤーが前払いを要求。その結果、資金流動性の必要性が高まり、投資プロセスが終了するまでに、それを埋め合わせることができなくなったという。
※ユーロ円換算は1ユーロ170円でトラベルボイス編集部が算出。
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