じゃらんリサーチセンターは、「旅の目的」として注目度が高まっている「まち歩き」に関するアンケート調査を実施した。この調査では、新たな消費機会拡大の可能性が高い「まち歩き」に注目し、「活動家」「冒険家」「エンターテイナー」「さすらい人」の4つの旅行者属性に分類。それぞれの特性や特徴、旅の楽しみ方、消費行動などを分析した。
調査は、直近1年以内に「まち歩き」をしたことがある全国の18~79歳の男女を対象に2024年3月7日~13日におこなわれた。回収サンプル数は1081。
活動家タイプ、行ったことのない場所へ
このタイプは、有名な観光スポット周辺、歴史ある町並みの散歩、温泉街のまち歩きなどさまざまなタイプのまち歩きを楽しむ。行ったことのない場所へ行くことを好み、20代男女や30代男性比率や恋人や友人との旅行の比率が比較的高い 。
日帰りや宿泊旅行時の初日にまち歩きを実施し、3~6時間と長時間まち歩きをする人の比率が高い 。グルメ、神社仏閣、映え写真を始め、まち歩きで実施したい項目も多く、食べ歩きやスイーツに重きを置いている。また、周遊パスを活用した移動の比率も比較的高い。
平均消費金額は1万5854円。「飲食代」「観覧料・入場料」「移動代」の平均消費額が他と比較して高く、食事に限らず、観光施設や体験など幅広いジャンルの消費行動を実施する。
冒険家タイプ、自由気ままにまわりたい
このタイプは、有名な観光スポット周辺、歴史ある町並みを楽しむ。20代男女や30代男性など若年層の比率や「夫婦2人での旅行」の比率が比較的高い。来訪回数が多く、まち歩きの上級者や、自分なりのまち歩きスタイルを持っている可能性があり、主要な観光スポットや人気店などは前提知識として把握している。街歩き時間は3~4時間程度。
「自由気ままにまわりたい」気持ちが大きく、「休日に特に予定がなかったのでなんとなくぶらぶら歩いた」という人が多い。
消費行動については、昼食や食べ歩き、土産物の購入、名所旧跡や神社仏閣の訪問の実施率は全体と大きな差はないが、それ以外の項目は実施率が低い。食べ歩きや夕食、飲酒をはじめとして消費行動時の単価が低く、実施率も低い。平均消費金額は1万495円。
エンターテイナー、事前に計画、短時間で散策
このタイプは、「温泉地がメインのエリア」に宿泊旅行で訪れ、チェックイン前やチェックイン~夕食までの時間に宿泊施設周辺を散策する。40代女性、70代男性、家族旅行の比率が比較的高い。まち歩き時間が1~2時間程度。
事前に入念に計画を立てて確実な方法で回り、金額よりも効率や快適性を重視。飲食代の内訳は、食べ歩き、スイーツ、夕食など多くの項目で単価が高く、平均消費金額は1万6061円。土産物はついつい買いすぎてしまうこともある。
さすらい人タイプ、ひとり旅比率高く、「なんとなく、ぶらぶら」
このタイプは、温泉地を中心に訪れ、時間が余った際に周辺のまちを散策。40代男性や30代女性などミドル層の比率が高く、1人旅の比率も比較的高い。旅行の最終日に「なんとなくぶらぶら」とまち歩きを楽しみ、リピーター比率が高い。温泉・サウナに入る比率も他と比べて高い。
平均消費金額は1万995円。消費行動の実施率は低いものの、「観覧料・入場料」「 体験料・参加料」の単価は「冒険家」を上回る。