旅館・ホテルの業況が堅調、53%が増収傾向、2024年度は過去最高の可能性も、帝国データバンクが調査、分析

帝国データバンクは、旅館・ホテル業界の企業931社における業況(売上高)について調査・分析を実施した。2023年5月から新型コロナの5類移行などで国内観光需要が回復に転じたほか、インバウンド需要も急回復したことで大幅な増収を見込む企業も見られる。

調査結果によると、2024年5月時点の2023年度の旅館・ホテル市場の売上高は、訪日客の増加と宿泊料金の上昇効果で、コロナ前2019年度並みの4.9兆円となる見込み。ただ、年始や3月にかけての卒業旅行などの需要が伸び悩んだうえに、能登半島地震の影響で北陸地方を中心に営業停止が続いたことなどが下押し材料となり、過去最高水準となる5兆円には届かなかった。

また、直近の業況が判明した931社を集計した結果、52.6%の企業が「増収」基調であることが分かった。ただ、「増収」の割合は1年前の2023年4月(60.8%)に比べると低下し、代わって「前年度並み(横ばい)」(44.5%)が増加した。

需要急増に合わせて客室単価の見直しや価格引き上げに成功したケースも多く、都市部のビジネスホテルなどを中心に前年度比20%超の大幅な増収を見込む企業も目立った。

都道府県別にみると、「増収」基調となったホテル・旅館の割合が最も高かったのは「広島県」で、84.0%の企業が増収基調と回答。「和歌山県」や「沖縄県」でも8割超の企業で増収となったほか、特にアジアからのビジネス客・訪日客の多い「福岡県」、草津温泉など関東有数の温泉コンテンツを有する「群馬県」では、「増収」企業が7割を超えた。

「減収」割合は2.9%と、1年前(2.6%)に比べほぼ横ばいで推移。コロナ禍中の21年4月(75.7%)から大幅に減少した。

2024年度は人手不足への対応が成否のポイントに

帝国データバンクでは、2024年度について、円安を追い風にインバウンドの需要は今後も増加すると予想されることから、国内の旅館・ホテル市場は今後も好調を維持し、5年ぶりに5兆円台に到達し、過去最高を更新する可能性もあると分析している。

一方で、依然として深刻な人手不足状態は続いており、旺盛な需要を十分に取り込むことが難しいケースもみられるとしたうえで、人手不足への対応が2024年度の旅館・ホテル市場の成否を分けるポイントになると指摘している。

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