イタリア・ベネチアでは、団体旅行客を1グループ25人に制限し、ガイドによる拡声器の使用を禁止する新しい規則が始まった。この混雑緩和に向けた取り組みをベネチア市民は歓迎しているようだ。
地元住民のエディ・ルバートさんは、「正しいことです。もっと減らしたほうがいい。団体客がいると運河沿いの狭い通りを歩けませんから」と話す。
ベネチアは、2024年4月に世界で初めて日帰り観光客に入場料を課す仕組みを導入した。
ベネチアで持続可能な観光を支援する「Venezia Autentica」共同創設者のセバスチャン・ファガラッツィ氏は、さらなる対策が必要だと話し、「過去70年でベネチア住民の72%が観光によって追い出された」と嘆く。ベネチア市当局によると、1954年のベネチア歴史地区中心部の住民は17万人以上だったが、2023年には4万9000人強にまで減少した。
ファガラッツィ氏は、「観光客から少額の観光税を徴収するだけでは十分ではない。地元コミュニティを支援するために観光を再考すべきなのだ」と強調する。
ベネチア市中心部とムラーノ島、ブラーノ島、トルチェッロ島を対象とするこの規制は、一部の観光客からも好評を得ているようだ。
※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。