日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は2024年9月26日、東京ビッグサイトで開催中の「ツーリズムEXPOジャパン2024」で、第8回「ジャパン・ツーリズム・アワード」の表彰式を開催した。
ジャパン・ツーリズム・アワードとは、ツーリズムの発展・拡大に貢献した持続可能な優れた取り組みを表彰するもの。すでに各賞は発表しており、国土交通大臣賞は愛知県の「愛知県『休み方改革』プロジェクト」、経済産業大臣賞はナビタイムジャパンの「訪日外国人向け観光ナビゲーションサービス『Japan Travel by NAVITIME』(インバウンド)」が受賞していた。
国土交通大臣賞の愛知県「愛知県『休み方改革』プロジェクト」は、観光需要の平準化を進めるうえで、県が主導して休暇改革を打ち出したことが評価された。この取り組みが他の都道府県へも伝播し、同様の施策が始まっている。
愛知県知事の大村秀章氏に代わり出席した愛知県コンベンション局観光推進監の浅田甚作氏は、大村氏のメッセージを代読した。「このプロジェクトは、日本の休暇取得のあり方の見直しを通じ、ワークライフバランスの充実と生産性向上による日本経済の活性化を目指すもの。宿泊や観光施設をはじめ、経済界、労働界、教育界など多くの方々と連携して進めている。本プロジェクトを全国へと広げるためには、全国の観光業界の力添えが重要」と話した。
経済産業大臣賞のナビタイムジャパン「訪日外国人向け観光ナビゲーションサービス『Japan Travel by NAVITIME』(インバウンド)」は、経路検索から旅の情報、チケット予約まで、1つのアプリで完結するサービスが広域観光にも大きく寄与していることや、展開可能性が期待できる点が評価された。
ナビタイムジャパン代表取締役社長の大西啓介氏は、同アプリの利用者数が月間180万人を超え、日本を旅行する外国人観光客の約3分の1が利用していることを説明。無料で提供する代わりにGPSログを取得し、ルート分析などのデータを地域や事業者が活用できるようにしている。「地方への誘客もできている。今後も外国人に、日本を知っていただける観光情報とルートを提供し、地域が活用できるサービスを提供していく」と話した。
今回は、国内外から119件の応募があった。全体講評として、審査委員長の本保芳明氏(UNツーリズム駐日事務所代表)は、「持続可能性やSDGsの観点を取り入れることが当たり前になった。また、近年の自然災害の増加を映し、レジリエンスを加味した内容や、観光DXを推進する取り組みも見られた。多様化する各種課題に、地域や産業界が一致団結して取り組む方向性が見られている。受賞された取り組みを共有し、ともに取り組むことで、環境産業全体や観光のさらなる向上を強く期待する」と話した。