全日本空輸(NH)の2013年3月期第3四半期(2012年4月1日~12月31日)の連結業績は、営業収入が前年比5.8%増の1兆1321億円、営業利益が18.0%増の1075億円、経常利益が24.7%増の891億円で、純利益が54.6%増の522億円となった。ビジネス需要の取り込みとレジャー需要の喚起策で、大幅な増収に成功。費用面では経営戦略に掲げたコスト構造改革を実行し、営業利益と経常利益は過去最高の数値になったという。
セグメント別では、航空運送事業は売上高が5.5%増の1兆107億円、営業利益が17.8%増の984億円。旅行事業は売上高が3.5%増の1236億円、営業利益が16.2%増の43億円。旅行事業についてはダイナミックパッケージ「旅作」が販売チャネルの拡大により堅調に推移し、国内旅行の売上高は前年を上回った。しかし、海外旅行は尖閣問題による反日デモの影響で中国への渡航需要が低迷し、売上高は前年を下回った。
通期については、2013年1月16日に発生したANA692便のB787型機における重大インシデントの発生を受け、B787型機全機の運航を停止している。13年1月では国内線、国際線で計459便が欠航、約5万8000人の取扱に影響しており、これにより14億円程度が減少する見込みだ。そのため、通期の業績予想については第3四半期までの業績を反映させず、従来通りの業績予想に据え置くとしている。