ホテルズ・ドットコムが、中国人海外旅行客と世界のホテル従業員に対して実施した中国人海外旅行客の動向調査「Chinese International Travel Monitor(CITM)」によると、中国人の個人旅行化が進行しているようだ。中国人旅行者の62%が団体ではなく個人旅行を好むと回答。ホテルの従業員からは、70%の中国人旅行者が単独で旅行しているとの回答があった。日本人のホテル従業員も、この5年間での中国人客の変化として「消費額の変化」と「個人旅行の増加」の回答が目立っていると回答している。
また、旅行に関するリサーチや予約について、中国人旅行者の30%が家族や友人から得た情報を重視。次にオンライン旅行予約やレビューサイトを参考にするという。さらに渡航先の決定には、27%の人がソーシャルメディアを活用しており、特に35歳以下の若者層では33%と多くなる。
このほか、ホテルのサービス分野では、中国人旅行者の26%が中国式の支払い方法を求めているほか、75%の人が中国語のウェルカム・メモやウェブサイト、テレビ、新聞を要望。42%の人が北京語が堪能なスタッフの常駐を求めた。
以上のことからホテルズ・ドットコムでは、「昨年から兆しのあった中国人旅行者の団体旅行離れが、今年は大多数に支持されている」とし、この傾向を考慮した上でビザ申請の基盤や手続きを整備する必要性を指摘。また、中国人旅行者を取り込むためには、中国市場向けのサービス提供や、オンラインやソーシャルメディアに標準を絞るなどの市場戦略が重要だとしている。
なお、UNWTOの「United Nations World Travel Organisation World Tourism Barometer」によると、2012年に中国人海外旅行客の消費額は前年を40%以上多い1020億米ドルとなり、ドイツやアメリカを抜いて消費額が1位となった。