ジェイアイ傷害火災保険の「2013年度の海外旅行保険事故データ」によると、2013年度の海外旅行中の事故発生率は3.84%で、海外旅行保険加入者のうち26人に1人が保険金請求をした結果となった。前年より0.06%縮小したが2006年以降、増加傾向にあることについてジェイアイ傷害火災保険では、海外が日本よりも事故に遭いやすい状況にあることに加え、海外旅行保険の役割が旅行中に発生するトラブルを包括的に補償するなどカバー範囲が広がっていることも要因だと説明する。
補償項目別事故件数では、「治療・救援費用」(42.1%)、「携行品損害」(38.7%)、「旅行事故緊急費用」(15.7%)がトップ3で、2006年以降変わりがない。治療・救援費用の割合は8.8%縮小したが、そのほかは前年よりも拡大。特に大雪等の影響で旅行事故緊急費用は7.3%も拡大した。
また、トップの治療・救援費用では、円安の影響で300万円以上の高額医療事故が増加傾向にあり、過去最高の7061万円の支払保険金の事故も発生。カナダでの脳幹梗塞・肺炎による入院・手術と医師・看護師付き添いのチャーター機搬送をした。高額医療事故の数は2013年度は31.3%増の67件で、このうち49%が65歳以上のシニア層となっている。
高額医療事故を地域別で見ると、ヨーロッパが25件、北中南米が25件、アジア・オセアニア・ミクロネシアが17件。欧米は医療費の水準が高く、医療搬送距離が長くなるため、高額化する傾向にあるという。支払い保険金で賄いきれないケースも多く、ジェイアイ傷害火災保険では海外の高額医療費に対応するために余裕のある保険金額が望ましく、プランをよく検討する必要があるとしている。
(トラベルボイス編集部)