エアアジアX(D7)は2014年7月7日、都内で記者会見を開き、同社による成田/クアラルンプール線およびタイ・エアアジアX(XJ)による成田/バンコク(ドンムアン)線と関西/バンコク(ドンムアン)線の新規就航を正式に発表した。成田/クアラルンプール線は11月21日から週4便で就航し、2015年5月には週7便に増便。一方、成田/バンコク線は9月1日から週7便で、関西/バンコク線は同じく9月1日から週5便で運航を開始する。LCCが日本/タイ路線に進出するのははじめて。先般発表されたエアアジア・ジャパンの再参入を含め、グループとして日本市場で存在感が増す存在になりそうだ。
エアアジアXのアズラン・オスマンラニCEOは会見で「日本は我々にとって戦略的に重要な市場」と話し、今後も日本市場を重視していく姿勢を示した。同社の日本路線は、2014年上半期の平均搭乗率89%を記録。2013年上半期の実績では総売上高の12%強を日本が占めるまでに成長している。日本発需要だけでなく、ビザの要件緩和によって拡大しているタイとマレーシアからの訪日需要に対する期待も大きく、「(ビザ緩和)は新たな投資の機会となった。今後も訪日需要は拡大していくだろう」と話し、日本の訪日市場拡大に向けた動きを歓迎した。
今後の旅客構成については、「年間で日本発50%、海外発50%が理想」とし、海外発50%のうち、バンコクとクアラルンプールからが30%、第三国からの乗り継ぎ需要を20%と見込む。
オスマンラニCEOはタイ・エアアジアXのバンコク線について、「就航するドンムアン空港はスワンナプーム空港よりもバンコク市内に近い。また、ドンムアン空港からプーケット、チェンマイ、シェムリアップ、ヤンゴンなどへも乗り継げる」とメリットをアピール。また、東京/クアラルンプール線が深夜発の羽田を含め2路線になることについても、「朝発の成田便が加わることで、選択肢が増え、利便性が高まる」と強調。競合路線での需要獲得に強気の姿勢を示した。
また、オスマンラニCEOはインドネシア・エアアジアXの路線展開についても言及したが、日本への就航については「来年の七夕までには発表できるのではないか」との発言にとどめた。
会見には成田国際空港社長の夏目誠氏と新関西国際空港社長兼CEOの安藤圭一氏も臨席。夏目氏は「エアアジアXの就航でまた新しい選択肢が増えることになる。エアアジアのネットワークを利用することでより柔軟な旅行プランが可能になるだろう」と発言。安藤氏は「関西に乗り入れる海外LCCは11社となり、全体の22%となった。日本が観光立国を目指すなかで、LCCの果たす役割はますます大きくなる」との見解を示した。
なお、両社は就航に合わせて、キャンペーン運賃を設定。成田/クアラルンプール線では、エコノミークラス9,990円、ビジネスクラスを3万8,000円で提供する。対象となる旅行期間は2014年11月21日から2015年7月8日まで。今年7月8日から7月13日の間、オンラインで予約を受け付ける。また、バンコク線は成田、関西ともエコノミークラス9,900円、ビジネスクラス3万8,000円で提供。対象期間は2014年9月1日から2015年7月まで。通常運賃については、同じ路線を運航するフルサービスキャリアの30%から50%割安な価格を提供していく(オスマンラニCEO)。
新規就航路線のスケジュールは以下のとおり。
【成田/クアラルンプール線】
- D7 528 クアラルンプール0:15発/成田8:45着/火・木・金・日
- D7 529 成田10:00発/クアラルンプール17:00着/火・木・金・日
【成田/バンコク線】
- XJ600 ドンムアン1:00発/成田9:15着/毎日
- XJ601 成田10:30発/ドンムアン15:05着/毎日
【関空/バンコク線】
- XJ610 ドンムアン16:25発/関西23:50着/月・水・金・土・日
- XJ611 関西1:10発/ドンムアン5:00着/月・水・金・土・日
過去記事>>> エアアジアX、拡大戦略で東京/バンコク線に意欲 -オスマンラニCEO会見(1)
- 取材・記事:トラベルジャーナリスト 山田友樹
- 編集:トラベルボイス編集部