LCCバニラエア(JW)は、2014年冬期スケジュールの航空券の新しい運賃を値下げする。新たな戦略を進めることで、代表取締役社長・石井知祥氏(写真右)は利用率80%超えを目指したい考えだ。
同社が提供する3つの商品のうち「シンプルバニラ」の新運賃では、下限価格を札幌4800円、奄美大島5500円、沖縄5900円、ソウル4000円、台北7000円とし最大3500円の値下げ。「コミコミバニラ」では、下限価格を札幌6300円、奄美大島7000円、沖縄7400円、ソウル5500円、台北8500円とし最大4500円値下げする。
同時に、キャンペーン運賃の「わくわくバニラ」を除いて、受託手荷物料金20キロまで無料としてきたが、新運賃では「コミコミバニラ」を除いて受託手荷物を有料化。このほど開催された同社販売戦略説明会で営業部長の近藤寛之氏(写真右)は、この理由が旅行者のニーズにこたえたものであることを説明した。受託手荷物なしの運賃プランを通常化することや、さらなる低価格化の要望が多くみられたという。同社の航空券販売におけるシェアは、「わくわくバニラ(キャンペーン運賃)」が1割、「コミコミバニラ」が1割、「シンプルバニラ」が6割、旅行会社が2割。圧倒的に支持されてきた「シンプルバニラ」の受託手荷物手数料を有料化し、「コミコミバニラ」では条件を継続する。値下げは、ふたつの運賃ともに行うものの、その運賃差は縮小させた。近藤氏は、この点について受託手荷物の他に座席指定も無料、手数料を支払えば日付・便の変更やキャンセルが可能な「コミコミバニラ」を主力商品としていく方針であることを説明。LCCならではの"低価格でフルサービスキャリアなみのサービス"を色濃く打ち出していくものといえるだろう。
なお、手数料では座席指定料と支払手数料を変更する、座席指定料は「コミコミバニラ」以外ではリラックスシートで1200円から1000円に値下げ。レギュラーシートは300円から500円に値上げとなる。航空券購入にあたり別途加算される支払手数料では、300円から400円に値上げする。新運賃の販売開始は8月9日14時から。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)