森トラストは2025年秋、大規模複合開発プロジェクト「東京ワールドゲート赤坂」に、ラグジュアリーホテル「1Hotel(ワンホテル) Tokyo」をオープンすると発表した。米国のホテル運営会社で、スターウッド・キャピタル・グループのSH Hotels & Resorts(エスエイチ・ホテルズ・アンド・リゾーツ:SHホテルズ)が展開する最上級ブランド「1Hotels」を、日本で初めて誘致した。
1Hotelsは自然との調和をコンセプトとし、その地域ならではの素材や食材、文化を取り入れる設計・運営が特徴。サステナビリティを重視したラグジュアリーライフスタイルブランドとして、持続可能なデザインと最高級のサービスを提供しつつ、省エネや節水システム、CO2 排出相殺などをおこない、再生資材等も使用する。
発表の記者会見で、森トラスト代表取締役社長の伊達美和子氏は、同ブランドを誘致した背景として、日本の資源と魅力を生かした唯一無二の視点での商品開発と、世界の観光市場の潮流を理解する重要性を強調。「現在の旅行者にとってホスピタリティとサステナブルはトレードオフの関係ではなく、Win×Winの関係。ラグジュアリー旅行の志向者にも、高い次元で両立ができると捉えられ始めている。そこで、自然環境に敬意を払い、個性豊かなラグジュアリーホテルの世界観を構築している1Hotelsの誘致を決めた」と話した。
SHホテルズは、世界にデザイナーホテル旋風を起こした「Wホテル」を生んだバリー・S・スターンリヒト氏が創設したホテル運営会社。2015年に初出店してから現在まで、1Hotelsを含む3ブランドのホテルを、世界で14軒展開している。これ以外に、24軒を開発中だ。全世界の顧客数は、この2年で50%増え、急成長をしているという。
来日したSHホテルズCEOのラウル・レアル氏は、「我々は競合他社に真似をされたい、数少ないブランドの一つ」と話し、同社が展開するブランドの理念が共有すべきものであることを強調した。また、東京での開業について「日本は常にターゲットだった」とし、ロケーションとパートナーを厳選していたことを説明。「文化的背景や環境を敬いながら、地域に愛されるホテルの設立を目指している」とし、今後、同ホテルを礎に、日本の他の都市への展開も意欲を示した。
1Hotel Tokyo、サステナブル重視で新潮流に
1 Hotel Tokyoは、東京ワールドゲート赤坂街区における赤坂トラストタワーの38~43階に位置し、客室数は211室。レストラン、カフェ、フィットネス、スパ、プール、ミーティングルームを備える計画だ。
緑豊かな空間や日本古来の大谷石を用いたエントランス、シャワー時間を計測して長時間利用の抑制を促す砂時計の設置、ワインボトルを再生したグラスの採用などを導入。パブリックスペースには本物の植物を入れ、日本庭園を感じられる要素を入れ込む。自然に囲まれた都心のオアシスとして、多様化するラグジュアリーホテルの新たな潮流となることを目指す。