観光庁、新聞報道の「民泊の全国解禁」を否定、各省庁・各会議での検討継続に変更なし

2015年11月22日(日)、日経新聞1面などにより「民泊、許認可制で全国解禁」という記事に驚いた読者も少なくないだろう。トラベルボイス編集部は、その真偽を観光庁に尋ねてみた。報道では、厚生労働省と国土交通省が2016年4月にも民泊を全国で解禁する方針としているが、観光庁は「そうした方針は決定してない」としている。

同時に観光庁は、報道内容には事実誤認も複数含まれると指摘。たとえば、「厚労省と国交省は法改正を必要としない範囲で早急に基準を整えることにした」「旅館業法の省令を改正し、ホテル、旅館、簡易宿所、下宿の4種類の営業許可に、新たに"民泊"を加える案が有力」といった報道に関して、実際にはこの場合も、「省令改正ではなく法改正が必要になる」と解説する。

また、報道ではこれらの措置の理由について、無許可の営業の広がりやトラブルが発生するなか、「早急に明確な基準をつくり、安心して使える民泊を普及させたい」と政府の考えについて説明。この点について、観光庁では「民泊のあり方については、厚労省、国交省、警察庁、消防庁等の関係省庁や、政府の規制改革会議で検討されているほか、2015年11月末から有識者会議でも検討されることになっている」としている。

民泊については、国家戦略特区の東京都大田区や大阪府で条例が可決。その後、民間レベルでも、住宅賃貸アパマンOTAアドベンチャー社が民泊を事業化する発表などを行っており、活発な動きを見せている。政府は2015年7月に発表した「規制改革実施計画」で、2016年までに民泊についての”結論”を出すことを閣議決定しており、規制改革会議などで活発な議論が続いている。こうしたスケジュール感にも変更はないようだ。

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