ブッキング・ドットコム・ジャパンはこのほど、2017年の旅行業界のトレンド予想を発表した。世界10か国で実施したアンケート調査をもとに分析したもの。
それによると、トレンドワードとしてまず挙げられたのは、「インスタント・グラティフィケーション(Instant Gratification=欲しいものを即座に)」。技術の発展に伴い、消費者が「欲しいと思ったものは今すぐ欲しい」と考える傾向が強まるとする。例えばスマートフォンを数回タップしただけで旅行計画を速やかに完了したり、タビナカのストレスをなくすためのアドバイスがタイムリーに提示されるといったニーズが増加すると予測した。
他には、昨今「ブレジャー(ビジネス+レジャー)」という語を介して話題になっているとおり、「出張旅行の付加価値」を期待する旅行者が増えると予想する。この裏づけとして、「出張旅行の多い仕事に就けるなら、今より給与が低くても構わない」と回答したユーザーが約3割いた点に言及している。
また、旅行者の45%が「2017年には目的地に冒険的な場所を選びたい」、47%が「自分の友人が誰も訪れたことのないような未開の地に行ってみたい」と回答。このことから、独自性のある宿泊体験の需要は今後ますます高まり「誰もが冒険者」を目指す旅行が増加するとみている。
そのほか、2017年の旅行業界の8大トレンド予想の結果は以下のとおり。
2017 年に起こる旅行トレンドの予想(ブッキング・ドットコム)
- 1. インスタント・グラティフィケーション(欲しいものを即座に)
- 2. 出張旅行の付加価値(出張旅行にレジャー旅行をつなげる)
- 3. 誰もが冒険者(旅行者が内なる「冒険魂」を満たすような旅行)
- 4. 心と身体を癒やす旅(心と身体のバランスを整える絶好のチャンスとしての旅行)
- 5. 環境に優しい旅作り(「エコ」を重要なキーワードに据えた旅行)
- 6. シンプル・イズ・ベスト(物質的な豊かさでなく、アクティビティや新しい経験を通して心の豊かさを追求できるような旅行)
- 7. コミュニケーションの重要性(宿泊施設のスタッフの品質やスタッフとの旅行な関係づくりが旅行者にとって重要になる)
- 8. 国境のない旅(宇宙や海底旅行、遠隔地を完全自動で移動できる電気自動車の利用などへの期待)
この調査は同社が2016年3月に10か国で各国1000人を対象に実施したアンケート結果によるもの。回答者は18歳以上で2015・2016年の両年ともに1度以上旅行をし、かつ旅行計画時にプランニングに関わっていた旅行者。