民泊エアビー、京都市の民泊ルールに異論の意見書提出、ゴミ分別や仲介サイトへの住所掲載などで

民泊仲介サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」はこのほど、京都市による「『民泊』の適正な運営等に係る新たなルール(案)」に対する意見募集に応じて意見書を提出した。

京都市では、無許可営業をおこなう「民泊」の横行をはじめ、市民生活に影響を与える迷惑行為の防止、京都の文化の保全・継承を図る目的で、「京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議」を遂行して独自ルールを検討。2017年12月より市民や企業、関係団体から意見募集をおこなっている。

Airbnbは意見書で、住宅宿泊事業法(民泊新法)のもと、京都市民のニーズを反映したシンプルで分かりやすいルールを設定するよう要望。(1)家主居住型と家主不在型とを区別したルールの設定、(2)個人情報やプライバシー保護の徹底、(3)一般個人にも分かりやすいシンプルな法令・条例の説明資料の作成と事業者への周知・説明、の3項目を軸に意見を提出した。

具体的には、京都市のルール案では、民泊事業に伴い排出されるゴミを事業系ゴミとして適正に処理するものとしているが、Airbnbは「家主居住型のホストがホストとゲストのゴミを区別して処理することは現実的ではない」と指摘。例えば、事前精算や有料ステッカーによる対応といった再検討を求めた。

また、新ルール案では民泊仲介サイトに事業者の施設住所や詳細地図の掲載を求めているのに対し、Airbnbはプライバシー保護の考え方を尊重し、一般個人の氏名や住所・電話番号などが広く公開されないよう要請。さらに、新ルールの説明資料策定に際し、法令文書・用語は一般個人には難解であるとして、分かりやすくシンプルな説明資料の提示を求めている。

今回の京都市の「民泊ルール案」では、(1)市民と観光客の調和や双方の安心・安全を前提とした京都ならではの「おもてなし」を提供すること、(2)住居専用地域や共同住宅について、生活環境の悪化を招かないよう充分に配慮すること、(3)京都の文化体験など「民泊」ならではの付加価値を重視すること、といった独自の指針や考え方を中心に展開。

そのなかでは、例えば住宅専用地域における営業期間について「3月から12月までは営業をしてはならない」といった制限に加え、適正な管理運営ルールを策定するほか京町家を活用する民泊事業の条件なども設定。市民の意見を取り入れた独自ルールの検討を終え、2月には条例案を市議会に提出。3月の条例制定を目指している。

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