JTB、新体制下で入社式、高橋社長「成果に応えるソリューション企業に」、働き方改革にも意欲【画像】

JTBグループは2日、2018年度合同入社式を実施した。今年度入社したのはグループ全27社合計で782人。このうちJTBは最多の539人。4月1日から経営体制を刷新したJTBグループにとっても新たな門出となった。その様子を取材した。

第3の創業として、「かつてない大きな変化にチャレンジ」

JTB代表取締役社長の高橋広行氏は新入社員を前に経営体制再編について、「今回の改革を、ソルショーンモデルを中心とした第3の創業と位置づけている。これまでのコミッションビジネスからフィーモデルへの変革への挑戦」と説明。2006年の分社化以降、地域交流事業を大きく拡大した結果、DMC(デスティネーション・マネージメント・カンパニー)としての地位が確立されつつあるとの認識を示したうえで、「新しい事業ドメインとして、感動と共感を呼び起こし、自ら地球規模での交流を創造していく『交流創造事業』を掲げた」と話した。

新しい経営体制のもと、JTBグループは地域別・機能別の事業会社15社を本社に統合。「個人」「法人」という2つのビジネスユニットを軸に新たに組織化した。

高橋氏はその新体制移行の背景について、インターネット技術の進歩によって購入手段が多様化しているほか、既存の旅行会社だけではなく、旅行業とは異なるグローバルな競争相手が増えていることを挙げ、「将来に向かって、かつてない大きな変革にチャレンジしていく必要がある」と強調した。

新入社員を前にメッセージ伝える高橋社長

デジタル技術導入とヒューマンタッチなコンサル力を強化

新体制では、「デジタルテクノロジー×ヒューマンタッチの融合によるJTBならではの新たな価値提供」をテーマに掲げている。高橋氏は、JTBならではの価値を「Beyond Imagination」と定義し、「お客様の期待や想像を超える価値や成果を生み出していくこと」と説明したうで、2つのポイントを提示した。

一つ目は、価値を提供するだけでなく、本来の目的の成果にまで踏み込んでいくこと。「お客様に成果をもたらすことができなかった場合は、その対価は頂かないというくらいの決意を持つべき」と話し、旅行を販売目的とする商品ではなく、課題解決や目的を達成するためのひとつの手段として位置づけた。

二つ目は、デジタル技術の積極的な導入とJTBの強みであるヒューマンタッチなコンサルティング力の磨き上げ。このふたつを融合することで、「圧倒的な利便性や斬新な体験をお客様に提供し、お客様の期待を超える価値を生み、成果の達成に貢献してく」と意気込みを示した。

働き方改革にも意欲、「余裕は新しいビジネスを生む」

さらに、「人材」は「人財」と説明。「人が財産。我が社は人そのもの。自ら課題解決に向かって行動する『自律創造型社員』を目指し、日本だけでなくグローバルなステージで積極的にチャレンジして欲しい」と訓示した。

このほか、高橋氏は「経営改革のためには、企業文化や企業風土も変える必要がある」と話し、国が進めている働き方改革についても言及。「(働き方改革によって)、社員の時間と心の余裕が生まれ、新たなビジネスにつながる」と意欲を示した。

また、役員を含めたすべての社員の行動指針として「オープン」「チャレンジ」「ファン」の3つのポリシーを紹介。「オープン」として、外に目を向け、外部の異なる価値観を持つ企業などと協業する重要性を指摘。「チャレンジ」では、失敗を種にして次の一歩を踏み出すこと、「ファン」では、顧客を楽しませるためには自ら楽しむことが大切と強調した。

高橋氏は最後に、2019年のワールドカップラグビー、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、さらに地方創生の気運が高まっていることから、2020年までをツーリズム産業の『黄金の時間』と表現。そのうえで、「2020年以降も輝くためには、2020年までの取り組みが非常に大事になってくる」と強調。新入社員に対して「新しいJTBを創り上げていって欲しい」とエールを送った。

新入社員による決意表明最後は、田川会長、高橋社長など役員がハイタッチで新入社員を送り出した。

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