東京商工リサーチは、2017年度(2017年4月~2018年3月)の旅行業の倒産状況を発表した。
これによると、倒産件数は前年比3.7%減の26件で、2年ぶりに前年を下回った。これは過去20年において、2015年度に次ぐ2番目に低い水準だという。負債総額も86.3%減の29億1600万円で、これも2年ぶりの減少。
2017年は3月に、てるみくらぶと関連会社1社の倒産があったが(負債額合計185億1300円)、年度での統計では2016年度となる。2017年度の負債額は京阪津ツーリスト(負債額6億円)が最高で、10億円以上の大型倒産がなかった。ただし、1000万円~5000万円未満は16件で、前年度(8件)から倍増。全体の61.5%を占めており、2017年度は小・零細規模の倒産が中心に発生したという。
原因別では、全体の73%が「販売不振」(19件)。次いで、赤字累積の「既往のシワ寄せ」が3件、「その他(代表者の死亡や体調不良)」が2件など。形態別では、全体の92.3%が「破産」(24件)で、民事再生法や会社更生法の再建型倒産はゼロだった。
東京商工リサーチでは、旅行予約のオンライン化の浸透に加え、2018年4月1日から旅行業者の営業保証金と弁済業務保証金分担金が引き上げられたことを踏まえ、旅行業を取り巻く環境激化が増していることを指摘。今後は、業績不振から抜け出せない小・零細企業や、先行きの見通しが厳しい企業の動向から目が離せないとしている。