日本版DMOの九州観光推進機構は、九州への訪日外国人旅行者に関する動態調査を実施し、その結果を発表した。調査対象期間は2016年10月~2017年9月の1年間で、NTTドコモなどが提供する「モバイル空間統計」のビッグデータを使用したもの。
これによると、九州を訪れた訪日外国人の入国経路は、九州内の空海港が90.2%で9割を超えた。九州外の空港で入国した訪日外国人は、九州への直行便のない欧州やドイツ、米国、オーストラリアの旅行者が多い。
平均滞在日数は約3.8日。市場別では、フランスは5.90日、ドイツは5.82日など、欧米の旅行者は、アジア各国よりも長い傾向となった。九州旅行をした外国人の日本滞在日数が日本全体の平均滞在日数と同程度と仮定すると、欧米豪からの九州訪問者は日本滞在日程の約3分の1にあたる5~6日を九州内で滞在。アジア各国からは日本滞在の半分以上を九州内で滞在していると推計する。
九州内での訪問県数は平均約1.8県で、台湾と香港は平均訪問県が2県超、訪問市区町村も4市町村を越えており、他の市場と比べて周遊が活発。一方、欧米豪の旅行者の訪問県数や市町村数は1か所台が多く、宿泊地をよりじっくりと観光する傾向が鮮明に表れた。
宿泊者数は835.9万人泊で、このうち旅館業法の営業許可を得ている施設での延べ宿泊者数(出典:観光庁の宿泊旅行統計)は、700.0万人泊、民泊や親族・知人宅などでの宿泊は135.9万人泊。このうち、民泊分のみは延べ宿泊者数の約8.8%にあたる73.9万人泊と推計した。
九州観光推進機構では今回の調査の結果を踏まえ、広域視点でのマーケティング機能を強化。総合的な事業戦略策定や各施策のPDCAを推進し、2023年に観光消費額4.0兆円とする第2期九州観光戦略目標の達成を目指すとしている。