中国最大OTAシートリップが「飲食店予約サービス」を加速へ、創業者ら幹部来日で東京のレストラン「格付けガイド」を発表、405店が登録

中国OTA「シートリップ(Ctrip)」は9月5日、2018年度の東京のCtripグルメリスト(Ctripグルメ)の発表イベントを、都内で開催した。

Ctripグルメは、美食家や専門家などが評価した飲食店を厳選し、掲載する格付けガイド。2018年度は中国国内をはじめ、世界150都市の約18000超の飲食店がCtripグルメに掲載されている。

海外で発表イベントを行なったのは今年6月のバンコクに続いて東京が2都市目。中国人の海外旅行先で人気の高い両都市を皮切りに、世界での展開を強めていく。Ctripでは現在、同サイト内でのタビマエ、タビナカのサービスを強化しているところで、Ctripグルメもその1つ。リスト掲載店の予約サービスについては中国国内のほか、北米地域ではレストラン予約「オープンテーブル」との連携で開始している。

東京でのイベントには来賓として、在日中国大使館・参事官の倪健氏をはじめ、Ctripも共同創業者・副会長の范敏氏や高級副総裁の湯瀾氏など多数の上級経営陣が来日、参加した。

范氏は、食が中国人の訪日旅行の最大の目的になったとの調査結果を示しながら、東京のグルメリストについて、「中国人の消費者の嗜好を知り尽くした上で、日本の美食界の意見も取り入れて作成したリスト。日本の飲食店にとっても、中国人旅行者により認識される機会になる」とアピールした。Ctripグルメでは旅行先の飲食店を調べ、予約をするだけでなく、利用後に食事体験を評価し、SNSなどで拡散されることも重視しているという。

Ctrip共同創業者・副会長の范敏氏

また湯氏は、中国人の訪日旅行者の83%が旅行の前にレストラン情報を調べるが、35%は直接レストランへ行き、毎回予約ができているのは15%未満との調査結果を発表。「中国国内で飲食店予約はできても、日本では難しいとの声が多い。この課題を、オンラインの予約プラットフォームで解決したい」と述べ、東京でも開始したCtripグルメの予約サービスに期待を示した。日本でも北米同様に、ぐるなびとの提携があり、さらなる飲食予約サービスへの発展を加速させたい考えだ。

Ctrip高級副総裁の湯瀾氏は、調査結果の表を示しながら中国人訪日旅行の変化を説明

Ctripグルメの特徴と東京のリスト掲載店

Ctripグルメでは、食に関する著名人をはじめ、中国人と現地在住者をあわせた2万人の美食家が評価を行なう。これに、シートリップが観光分野で集めたビッグデータもあわせてリストを作成するのが特徴だ。

さらにリストは、利用者のクチコミ評価をもとにしたハイエンドの「スター」、品質重視の「セレクテッド」、地域の特色のある人気店「ローカル・フェイバリット」と、消費者の食に対する3つのニーズに分けてリストを作成している。東京では登録店舗数が405店、うち評価の高い星付きの飲食店は3つ星5店、2つ星15店、1つ星28店が登録された。

日本の星付き掲載店

当日のイベントには、親子丼の発祥といわれる「玉ひで」や「銀座しのはら」など、日本人にも人気の名店の店主や代表者が約200名参加。登壇した「ジョエルロブション」の山地誠氏は、中国人観光客の来店が増え、最近ではほぼ毎日の利用があると説明した上で、「日本人と中国人は食へのこだわり、食を芸術と思える心に共通点を感じる」と語った。

スターカテゴリの代表で登壇した飲食店代表者

CtripグルメCEOの劉驍舟氏によると、東京は中国人旅行者が食を目的に選ぶ渡航先として最も人気が高く、年間検索数は1000万超に及ぶ。東京のリスト掲載店舗数は世界1位で、スターカテゴリーの飲食店の数が2位の1.5倍など、評価も高い。今後は中国人向けブランドのCtripのみならず、グローバルブランドのトリップドットコム(Trip.com)でも展開し、各国の旅行者にも同サービスを提供していく方針だ。

なお、范氏や湯氏が発表した、中国人の訪日旅行と食事に関する調査結果などは、「日本観光グルメ白書」として発行。中国版と日本語版を用意している。

CtripグルメCEOの劉驍舟氏

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