北海道地震に遭遇した訪日旅行者の調査、情報の入手先はSNSが23%、母国サイト22%、宿泊施設の避難誘導「理解できた」は25%

サーベイリサーチセンターは2018年9月8日と9日、「北海道胆振東部地震」の発生時に滞在していた訪日外国人客を対象に、聞き取り調査を行ない、その結果を発表した。地震発生後、訪日外国人客のとった行動や避難時に困ったことなどを調査し、外国人旅行者に対する災害発生時の情報発信方法や受入体制のあり方を探ることが目的。

調査の実施場所は、北海道ツーリストインフォメーションセンター札幌狸小路で、有効回答数は185サンプル。そのうち中国、韓国、台湾、香港が6割強を占めた。

これによると、地震がおさまった後の行動では、「インターネットやSNSでの情報収集や安否確認」が多く、避難や旅行行程などの情報の入手先は「宿泊先の従業員」(30.3%)、「ツアーコンダクター」(25.4%)、「日本にいる外国人のSNSなどの書き込み」(23.2%)、「母国のウェブサイト」(22.7%)が多かった。今回は停電になったことや、発生時間が午前3時の深夜だったことから人的情報がメインとなり、特に宿泊先の従業員やツアーコンダクターへの確認が多かった。

地震発生時に困ったことは、「停電」に関する項目が目立ったが、「コンビニやスーパーでの物資不足」(46.5%)も多い。また、交通機関の混乱で「日程が狂い多額の負担が生じた」(37.3%)や、「言葉が分からずどこに行けばよいかわからなかった」(29.2%)など、今後の旅程変更や言語が分からないことへの不安も多く上がった。

発表資料より:地震発生時に困ったこと

地震発生時に希望することは、「充電ポイントなどの提供」(50.8%)、「インフォメーションセンターの充実」(42.2%)、「母国語のマニュアルの配布」(38.4%)など。

発表資料より:地震発生時に希望すること

また、滞在中の宿泊施設で「避難指示の誘導」の有無については、「あった」は38.1%だったが、その「内容が理解できた」は25.8%だった。宿泊施設の到着時に避難に関する事前説明の有無については、「なかった」が67.5%と7割弱を占め、説明が「あった」は19.6%だった。

今後の訪日意向については、今回の地震を経験した上で73.5%が肯定的に捉えている。母国で今回の地震について話す場合には、「地震の揺れの大きさや恐怖感」「停電で困ったこと」(各44.3%)と多かったが、「大災害なのに大きな混乱がなかったこと」(41.6%)、「日本人の対応の素晴らしさ」(40.5%)なども回答にあがった。


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