空港のセキュリティ検査をさっと済ませ、飛行機を降りるやいなや、エスコートに案内されて軽やかにイミグレーションを通り抜ける。そんなセレブリティの姿を見たことがあるだろうか。ロサンゼルス空港をよく利用している私にとってはめずらしくない光景で、ついじっくり観察してしまう――。
※この記事は、アメリカの旅行産業メディア「JohnnyJet.Com」 に掲載された英文記事を、同編集部から承諾を得て、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
大抵の場合、周辺にいる人々はセレブの存在にすら気づかない。というのも、彼らが飛行機に乗り込むのは最後だし、飛行機から降りるときは真っ先にいなくなる。だから座席は一番前(ファーストクラス)の窓側が多い。そんなセレブたちと同じような体験ができるサービスが「ブラックレーン・パス」だ。
私も先ごろ、2回ほど利用してみた。(正直に言うと、私はこのサービスを無料体験できるプロモーション・コードをもらった。ただし、第三者である私のエスコートたちはそれを知らない)。それから、あまり旅慣れていない義母のためにも、このサービスを用意した。私たちに会うために別行動でロンドンまでくることになったが、国際線にほとんど乗ったことがなく、少々緊張気味だったのだ。
ブラックレーン・パスは、列に並んで待つのが嫌いな人や、VIPみたいに特別扱いしてもらいたい人におすすめだ。出張、家族連れでヘルパーが必要な場合、ひとり親、飛行機に慣れていないお年寄り、旅慣れていない人などにも、大きな力になってくれる。利用方法は簡単で、ウェブサイト(pass.blacklane.com)にアクセスして、「出発」「乗り継ぎ」「到着」の中から、必要なサービスを選ぶだけ。同サービスの対象は世界500空港余りとかなりの数にのぼるので、大抵の場合、利用できるのではないだろうか。
ブラックレーン・パスの利用方法と、その魅力について、以下に詳しく紹介しよう。
出発時のサービス
ブラックレーン・パスのコンシェルジェが、空港のカーブサイドであなたを待っていて、すぐに荷物を持ち、チェックインする場所へと案内してくれる。飛行機の利用座席クラスがエコノミーでも、チェックイン手続きをするカウンターはファーストクラス、または特別なカウンター窓口。座席を選ぶときも手伝ってくれる。
それからセキュリティ検査、出国管理、税関へと進むが、ここでも優先通路へと案内されるので、長い列に並んで待つ必要は一切ない。そのうえ免税品ショッピングにも同行してくれて、割引商品などがあれば教えてくれる。
あなたのクレジットカードやフリークエントフライヤー会員優待特典に「空港ラウンジ利用」が含まれていない場合でも、追加料金(通常1人50ドル程度)を支払えば利用可能だ。最後に、搭乗ゲートまで案内してくれるが、出発時間に間に合うように、しかし待ち時間は最小限で済むように気を配ってくれる。
参考までにいうと、ブラックレーン・パス・コンシェルジェは、当日の空港での待ち合わせ場所について、利用者本人または利用者が乗る車のドライバーと事前に連絡をとり、空港到着時に問題なく出迎えられるようにしている。もっとスムーズな流れにしたいという場合は、ブラックレーン・カーを事前に手配しておく方法もある。
乗り継ぎ時のサービス
旅行によく出かける人ですら、分かりにくい乗り継ぎ案内の空港もあり、疲れ果ててしまうこともある(例えばパリのシャルル・ド・ゴール空港とか)。
でも、ブラックレーン・パスを利用すれば大丈夫。同じ空港内であれば、あらゆる乗り継ぎパターンに対応してくれる。国内線から国際線、その逆の国際線から国内線、あるいは国際線から国際線など。到着時と同じように、ブラックレーン・パス・コンシェルジェが準備万端で到着ゲートにいて、乗り継ぎ便のゲートへ連れていってくれる。セキュリティ、出入国管理、税関を通り、必要な場合はバゲージを再びチェックインする。時間に余裕があれば、ラウンジにも案内してくれる(利用料金は別途必要)し、最後は搭乗ゲートまで付き添ってくれる。
到着時のサービス
誰よりも先に空港を脱出したいのなら、このサービスを利用するのがベストだ。地元の空港でも、トンブクトゥ空港でも、どこでも同じ。と言いつつ、実はマリのトンブクトゥ空港について調べたところ、残念ながら、ブラックレーン・パスの対象500空港には入っていなかった。とはいえ、この空港を利用する人は少ないはずなので、要するに私が言いたいことは同じだ。
コンシェルジェは、到着ゲートか、場合によっては、飛行機から降りるやいなや、もうそこに待機していて、すぐにあなたの手荷物を持ち、イミグレーションへ。ここでも優先通路を進むので、やはり長い列に並ぶことはない(米国も例外ではないが、空港によっては、審査待ちに1時間以上かかることもある)。それからバゲージ・クレームに案内し、自分の荷物をピックアップして税関へ。コンシェルジェは税金を最小限にとどめるアドバイスもしてくれる。最後に、空港から市内までの交通手段について、グループの人数やあなたの予算を考えながら、安全な方法を選んで手配してくれる。
私は家族と一緒に、今週、バミューダ島の空港とロンドンのガトウィック空港でブラックレーン・パスを利用した。バミューダでは、我々を担当するブラックレーン・パス・コンシェルジェが飛行機のすぐそばに立ち、私たちの名前を書いたサインを掲げて待っていた。私がゲートで預けたチャイルドシートとベビーカーを取ってくると、特別な出入国管理用の個室に案内してくれた。まさにセレブ気分だった。
その後、ぐるぐる回るターンテーブルからカバンを取り上げるのを手伝ってくれて、我々が税関にいる間に、クレジットカード決済OKのタクシーを手配。外に出ると、すでに車が待っていた。とにかく素晴らしいサービスだったが、一つアドバイスするなら、バミューダではあまり必要ないかもしれない。こじんまりした空港なので、移動は簡単で、もともと地元の人たちもとてもフレンドリーなのだ。
むしろ、ロンドンのガトウィック空港やヒースロー空港など、巨大な空港でこそ、ぜひこのサービスを活用するべきだ。ガトウィック空港に着陸すると、コンシェルジェがサインを掲げながら搭乗橋に立っていた。ちょうど車椅子が置いてあるあたりだ。おかげで飛行機を離れて2歩進んだら、またカバンを持ってもらい、あとは入国管理、バゲージ・クレーム、税関へ。外に出ると、そこにはブラックレーンの運転手が待っていた。コンシェルジェと運転手が2人がかりで我々のカバンや荷物をすべてバンに積み込んでくれたので、結局、私たちは歩いただけ。次は何、どこに行けばよいのか、などと考える必要がなく、かえって落ち着かない気分ですらあった。
このサービスの値段は空港によって色々だが、一人100ドルが出発、乗り継ぎ、到着時の相場だ。ちなみにロンドンでは、ガトウィック空港でもヒースロー空港でも一人100ドルだった。
何より良かったのは、ロンドンで滞在するアパートメントに到着すると、義母はすでにそこに居て、私たちを待っていたことだ(我々のフライトは12時間遅延したので、義母が先に着いた)。ドアを開けると、義母はとてもよい笑顔を浮かべて「ありがとう、ありがとう、ありがとう!」と出迎えてくれた。ブラックレーン(パスとショーファー)のおかげで、一人旅にも関わらず、何の心配もなく、まるで「セレブになった気分」を楽しんだと話してくれた。
家族への得点稼ぎにも、なかなか有効ではないだろうか?
※この記事は、アメリカの旅行産業メディア「JohnnyJet.Com」 に掲載された英文記事を、同編集部から承諾を得て、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集しました。
オリジナル記事:How to Travel Through an Airport Like a Celebrity With Blacklane PASS
著者:ジョニー・ジェット
参考:ブラックレーン・パス