ブリティッシュ・エアウェイズは、労働組合に対して経営再建と人員解雇の計画を伝えた。 同社は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響によって、大幅な運休・減便が続き、2019年の需要に戻るまでには数年かかると予測。現在も話し合いが続いているが、最大1万2000人の解雇を見込んでいる。
この計画について、同航空のアレックス・クルーズ会長兼CEOが従業員に向けて以下のような声明を出している。
普通ならば、ヒースロー空港から1日300便以上を運航しているが、4月27日はたった一握りのフライトしかなかった。航空会社として我々が直面している事態は、他の産業と同様に、「普通」ではないことばかりだ。国際航空運送協会(IATA)によると、今年の航空需要は前年比で48%減、航空旅客収入は55%減になるという。多くの航空会社が航空機を地上に駐機したままで、悲しいことに、いくつかの航空会社は破綻した。
非常に限定された運航によって、収入は途絶えており、我々は現金を守るために可能なことはすべて行っているところだ。パートナーやサプライヤーとも返金条件について話し合い、契約についても可能ものについては再交渉を行っている。現在のあるいは将来の機材計画も再検討しなければならない。それでも、十分ではない状況だ。
今後の航空業界の見通しはさらに悪化しているが、過去100年の歴史のなかで、我々はさまざまな危機を克服してきた。今回の危機も我々自身で乗り越えなければならない。
政府によるブリティッシュ・エアウェイズへの支援はない。我々はいつまでも我々の給料を納税者に頼るわけにはいかない。現在の借入金は、短期的な問題への対処に使われるだけで、我々が今後直面するであろう長期的な挑戦に対しては無力だ。
各国がいつ国境封鎖を解き、ロックダウンを解除するのか誰も分からない。そのなかで、我々は、従業員、旅行者、就航地のために、航空事業を再検討・再構築して、新しい未来を創っていく必要がある。
新型コロナウイルスによってもたらされた困難によって、我々には大きな変化が求められている。現在進行中のパンデミックに対してだけでなく、長期的な旅客需要の減退、株価、そして我々に影響を与えるさまざまな要因に対応していくために。
その困難がどのようなものであれ、難しい決断を先延ばしにすればするほど、我々に残された選択肢は少なくなる。
多くのブリティッシュ・エアウェイズの従業員が新型コロナウイルスの対応で活躍してくれた。帰国者便に携わった人たち、緊急物資を輸送してくれた人たち、さまざまな団体でボランティアに携わった人たち。私はその人たちに敬意を表したい。
我々は今、断固たる行動を起こさなければならない。ブリティッシュ・エアウェイズには力強い未来がある。今後も、我々はイギリスと世界を、そして世界とイギリスを結びつけていく。