JALグループは、2019年度3月期連結決算を発表した。2020年1月以降、新型コロナウイルスの感染拡大によって、国際線、国内線とも需要が大幅に減少したことから、最終的に大幅な減収減益となった。
営業収益は前年度比5.1%減の1兆4112億円と一桁の減少率にとどまったものの、営業利益は同42.9%減の1006億円、経常利益は同38%減の1025億円と大幅に減少。当期純利益は同64.6%減の534億円に落ち込んだ。
国際線では、今年1月以降の新型コロナウイルスによる影響のほか、世界経済の減速に伴い、日本発ビジネス需要が鈍化し、欧州線・中国線では競合他社の供給増により需給バランス悪化が顕在化するとともに、香港線・韓国線では、政情不安や日韓関係悪化による需要減が見られた。その結果、旅客数は同9.3%減の913万人。旅客収入は同10.3%減の4762億円となった。
国内線は、昨年ゴールデンウィークの10連休化などで航空需要は堅調に推移していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2月以降は需要が急速に落ち込んだ。これにより、旅客数は同3.1%減の3486万人、旅客収入は同2.6%減の5146億円となった。
株主還元については、第4四半期における大幅な業績悪化、2020年度に入っても、新型コロナウイルスの終息の兆しが見通せない状況において、キャッシュ・フローを管理し、手元流動性の確保を最優先することが最善であると判断。当期の期末配当については無配とする。
また、2021年3月期の連結業績予想については、新型コロナウイルスの影響の合理的な数値の算出が困難なことから、発表を見合わせた。