ドイツ拠点の世界大手旅行TUI社は、今後、グループ全体で30%のコスト削減を実施することを明らかにした。人員削減が含まれるもので、世界で約8000人規模が影響を受ける見込みだ。
同社は、新型コロナウイルス(COVID-19)発生する前までは好調に業績を伸ばしていた。2020年度(2019年10月~2020年9月)の最初の5ヶ月の売上高は前年比6%増の60億ユーロ(約6980億円)、EBITも同21%増で推移していた。しかし、3月中旬からCOVID-19の感染拡大でツアーの催行が中止になり、財政的に大きな影響を受けた。
同社は即座に、通常の業務に戻るまでのつなぎ融資として18億ユーロ(約2090億円)を申請。ドイツ政府は3月27日にそれを認めた。また、4月8日にはTUIに17.5億ユーロ(約2035億円)の与信枠を提供している銀行から、新しい信用枠の契約統合が認められた。5月10日時点の手元流動性は21億ユーロ(約2440億円)。
ただ、2020年度通期の業績予想については、今後のCOVID-19の影響が不透明なことから、発表を見送っている。
※円換算は1ユーロ116円でトラベルボイス編集部が算出。