ドイツの大手旅行会社TUIの子会社TUIチャイナは、中国での新型コロナウイルスの感染が終息に向かい、経済活動も再開され始めたことから、国内ツアーの販売を再開した。現在のところ、「TUIセレクション」という商品で山岳観光地やビーチリゾートへの旅行を扱っている。
TUIのフリッツ・ジャウセンCEOは、「北京と上海のオフィスは規制期間も閉鎖していなかったが、旅行商品は全く売れなかった。現在では、明らかに需要が戻り始めた。今後数週間で提供するツアーも徐々に増えていくただろう」と説明している。
中国は、今ではいち早く通常に戻りつつあり、国内旅行も認められるようになった。TUIチャイナは、顧客の安全性を確保したうえで、北京や上海近郊へのツアー商品だけでなく、海南島へのパッケージツアーの催行も始めている。パッケージ商品では、公衆衛生や安全性の基準を満たしたホテルを組み込み、感染が完全に抑えられているデスティネーションのみを商品化している。
「ドイツをはじめとするヨーロッパでも、旅行と休暇が人々の関心を集めている。現在のところ旅行することはできないが、それでもTUIのウェブサイトのトラフィックは前年比で90%を維持している。2021年の予約も順調に入ってきている」とジャウセンCEOは明かす。
そのうえで、「ヨーロッパにはもっと明確な見通しが必要だ。EUと加盟国は、ヨーロッパ域内の旅行再開についてロードマップを作成し、2020年内に休暇を取れるようにすべきだ。そのロードマップには感染拡大を抑え込んでいる国や地域への観光や航空旅行の再開を入れるべぎたろう。ギリシャ、キプロス、ポルトガル、バレアレス諸島、オーストリア、ベルギーなどは観光客の回復を積極的に進めている。自宅で休暇を過ごすことも一案だが、それがヨーロッパ、そしてヨーロッパ人の唯一の答えではない」と話している。