AP通信によると、タイ国際航空が中央破産裁判所に破産法に基づく会社更生手続きを申請した。タイ政府の広報官によると、同航空を救済するために国営企業政策局が再生計画を提出。5月19日に政府もそれを承認した。
同航空の財務状況は、新型コロナウイルス発生以前から悪化しており、損失額も2017年の21億1000万バーツ(約71億円)から、2018年は116億バーツ(約390億円)、2019年は120億バーツ(約404億円)に膨れ上がっていた。現地メディアによると、負債総額は約3000億バーツ(約1兆100億円)にのぼるという。
当初、政府から540億バーツ(約1820億円)の緊急融資を求めていた。しかし、会社更生手続を認めたことで、政府の持ち株比率を50%以下に引き下げ、民営化を進める狙いがあるとの見方がある。救済に向けては、人員、機材、路線の大幅な削減が求められそうだ。
同航空は5月18日、タイ民間航空局(CAAT)の要請に従い、国際線の運休を6月30日まで延長すると発表。7月の運航再開も目処が立っていない。
日本では、バンコク/札幌、仙台、羽田、成田、中部、関西、福岡の7路線を展開。仙台線は昨年10月30日、約5年半ぶりに再開したばかり。
*円換算は1バーツ3.3円でトラベルボイス編集部が算出