旅行会社が「ステイホーム」の取り組み開始、HISやJTBなど、自宅で楽しく過ごせる企画など

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止で、全国的に旅行の自粛が要請され、厳しい状況に置かれている旅行会社。営業時間の短縮や休業、テレワークなどにより通常営業ができないなか、当初は消費者向けの情報発信が自粛されていた向きもあるが、このところ、自宅で過ごす人々に向けた取り組みが発信されるようになってきた。

例えばエイチ・アイ・エス(HIS)では、HISアメリカ法人がゴールデンウィーク期間中に「バーチャル・ツアー&オンラインセミナー」を無料で開催。1000名以上の参加があった。その反響を踏まえ、開催期間を延長した。グランドキャニオンなど大人気スポットをプロガイドが案内するツアーから、ユーチューバーや著名人などとのコラボ企画、旅行英語講座まで幅広い内容で、現地と参加者を繋ぐオンライン企画を提供する。

HISアメリカ発総合旅行サイト内「#うちで過ごそう」

また、JTBでは同社グループの出版社であるJTBパブリッシングが、食材生産者の応援企画を実施。兵庫県洲本市との「『るるぶキッチン』presents おうちdeごとうち絶品グルメ 淡路島・洲本市 特産品生産者応援企画」とし、Facebookでの特集や食材販売の場をオンラインに設ける。自宅でご当地の恵みを体感し、収束後に現地への旅行に繋げたい考えだ。

 「『るるぶキッチン』presents おうちdeごとうち絶品グルメ 淡路島・洲本市 特産品生産者応援企画」

クラブツーリズムでは、同社が番組内のツアー運営を担当する「ハーフタイムツアーズ」で放送された動画を紹介。国内・海外あわせて約100本の動画へのリンク先を、「テレビ東京×クラブツーリズムpresents」として、同社ホームページ上のリンクで案内する。なお、ハーフタイムツアーズは現在も通常通り、放送を続けている。

クラブツーリズム 

ハーフタイムツアーズ Youtube

旅行会社の従事者が見るコロナの影響

アメリカンホリデーズではCOVID-19の影響について、空港や旅行会社の従事者を対象にアンケート調査を実施。これによると、回答者の97%が「企業活動に影響を及ぼしている」とし、9.11やSARSなどの過去の危機と比べても「COVID-19の影響の方が大きい」とする回答は98.6%だった。「過去の危機から学んだ解決策がある」との回答は4割にとどまったが、「お客様の安全を考えたアナウンスをすぐに行ない、キャンセルや問い合わせ対応を考える」「営業の強化やウェブ対策などを行なう」、「経費を抑えて、需要回復を待つ」などの回答が寄せられた。

また、旅行業再開のタイミングについては「緊急事態宣言の解除後」(34.5%)を検討しているとの回答が最多。回答者の6割が、終息後の大規模キャンペーンを予定しており、その際に起こる現象として「人気の観光地に集中する」(43.1%)、「予約が殺到して取りづらくなる」(30.5%)など、終息後の需要回復に大きな期待を寄せていることがうかがえる。(調査期間4月23日~24日、調査人数1053人)

アメリカンホリデーズ調査結果

アメリカンホリデーズ調査結果

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