『地球の歩き方』を発行するダイヤモンド・ビッグ社は、先ごろ、新型コロナウイルスに伴う旅行者の意識調査を実施した。回答者は『地球の歩き方』ファンが多いこともあって、緊急事態宣言が発出された2020年4月以降も約8割が継続して旅行情報を収集。今夏も4割が海外旅行を検討しており、ポイントは各国の入国・行動制限が解除され、公的機関のお墨付きが出たタイミングになるようだ。
アンケート期間は2020年4月24日~5月8日で、地球の歩き方ホームページ上などで実施。回答者数は1397人(男590、女793、無回答14)だった。
まず、今夏(7~10月)の海外旅行の意向は、「行かない」が60.9%だったものの、39.1%は「行くつもりで計画を考えている(検討中)」と回答。新型コロナウイルスが終息し、旅行できる環境になったときも、「まず海外に行きたい」が55.8%でトップになった。国内旅行から海外旅行というステップで需要回復を目指す国・地域が一般的だが、日本の海外旅行リピーターの強い志向もうかがえる。
では、より具体的な海外旅行検討のタイミングはいつなのか。トップは「渡航した海外の国・エリアでの入国制限がなくなったとき」で23.3%。「政府から海外旅行を推進する発言が出たり、プロモーションが始まったりしたとき」、「世界保健機関(WHO)から終息宣言が出たとき」、「外務省の感染症危険情報レベルが渡航可能なレベルに下がったとき」が続き、これらで全体の8割近くを占めた。各国の入国制限、行動制限がなくなり、公的機関によるお墨付きを得てから検討を始める意向が如実に表れている。
また、ステイホーム中も約8割が旅行情報を収集している。入手ツールは旅行系ウェブサイトが最も多く、旅行ガイドブック(紙)、TV番組、インスタグラムが続いた。一方、政府観光局をはじめとする観光関係者に求める情報で際立って多かったのが「最新の現地情報(入国制限や人々への行動制限)」(58.7%)。回答者のコメントには、「今までどおりビザなしで渡航できるのか?」、「旅先で日本人(アジア人)が差別や偏見を受けないか」といった、海外旅行への強い要望がある一方で受け入れ体制への切実な声も多く、同社は需要回復には「継続した、きめ細かな最新情報の発信がこれまで以上に求められている」などと分析している。