観光庁はこのほど、スノーリゾート地域の活性化に向けた報告書を公表した。2019年12月から2020年3月にかけて有識者らによる検討会を開催し、国際競争力の高いスノーリゾート形成のための投資環境モデルの議論を重ねていたもの。
国内のスキーブーム終焉で施設が老朽化し、世界で競争するためには大規模な資金が求められるなか、外国人の視点を取り入れた環境整備、また地域の個性を活かした取り組みが不可欠だなどと提言した。
競争力の高いスノーリゾート形成のための課題解決の方向性として、スキー場事業者への支援・負担軽減と経営効率化、ベースタウンの活性化、スキー・スノーボード初心者など将来顧客の開拓、グリーンシーズン対策などを挙げた。特に、インバウンド誘客については、スキーだけでなく、温泉、日本の食、街歩きなどを組み合わせることが重要で、ベースタウンの魅力向上、周遊のための二次交通整備といった取り組みが求められると指摘した。
また、スキー場の低収益性を改善するために、公有地の借地料、固定資産税、都市計画税などの軽減、分譲にかかる収入で収益性を上げるモデルの導入などの対応が求められると言及。金融機関による経営指導、規制の合理化など関係省庁の協力にも踏み込んだ。報告書では「残された時間は少なくない。スノーリゾートの形成を通じて、日本のスキー文化を次世代に継承していくためにも、関係者一丸となって実行に移してほしい」と訴えている。