国連世界観光機関、SDGsに沿ったツーリズム復興を呼び掛け、「リカバリーに向けて具体的な行動に移る」

国連世界観光機関(UNWTO)のスラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長が2020年6月16日、新たな声明を発表した。ツーリズムの再始動が世界中の人々に希望をもたらす一方、新型コロナウイルスのパンデミックから3カ月以上が経過し、観光産業に従事する人々の雇用環境や生活は厳しい状況にあると指摘。状況を打開するためには「ギア・チェンジが必要だ。我々もリカバリーに向けて、具体的な行動に移る」との考えを示した。

事務局長によると、UNWTOによるツーリズム再始動の呼びかけには世界各地から賛同の声がった。国連のアントニオ・グテレス事務総長からはツーリズムについて、経済成長の柱であり「パンデミックを克服するためのプラットフォームに成り得る」とのコメントもあった。

こうしたなかUNWTOでは、各エリアの地区委員会がリモート形式での会議を開き、サステナブルで責任ある未来を目標とするSDGs達成に向けて、再び動き出した。皮切りとなったのはアフリカ地区で、このほど各国の観光大臣が集まり「UNWTOアジェンダ・フォー・アフリカ」を開催、コロナ危機対策や観光の復興について話し合った。続いて今週、アメリカ大陸地区でも同様の会合が予定されている。

UNWTOでは「#StrongerTogether」のハッシュタグを掲げ、ツーリズムを再び前へと動かし、信頼と安心を取り戻すためには、こうした観光関係者の連帯、国境を越えた協力体制が欠かせないと強調している。今後、移動制限が解除され、ツーリズム需要が復興期に入るなかでは、UNWTOの総会で定められた世界観光倫理憲章(GCET)の規範を堅持し、必要なタイミングと責任ある態度をもって「すべての観光旅行者を公平、平等に扱う」ことを厳守するよう求めた。

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