日本政府観光局(JNTO)が、2020年6月の訪日外国人旅行者数(推計値)を発表した。それによると、6月は前年の288万人から99.9%減となる2600人となり、訪日外客数は9か月連続で前年を下回った。
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止で、世界的に行なわれた出入国の制限や外出禁止の措置や、日本での検疫強化査証の無効化などの措置が要因。単月の人数では、前月の5月の1700人からわずかに増加したものの、JNTOが国地域別の数値を発表する22市場すべてで、3か月連続でほぼゼロに近い推移となっている。
航空データOAG社のデータでも、6月も日本への国際線の大幅な減少が見てとれる。国内主要6空港(成田、関空、羽田、福岡、名古屋、札幌)に到着する国際線実績合計は、便数で前年比87.6%減の2648便、提供座席数で88.3%減の57万1322席で、便数、提供座席数とも大きく減少した。
1月~6月の上半期の訪日外国人旅行者数は、76.3%減の394万7000人。3000万人を達成した前年は現時点で1600万人を超えていた。
なお、6月後半以降、世界では出入国制限を緩和する傾向が始まり、7月にはEU加盟各国が日本を含む14か国について、渡航制限解除した。国際線の復便も増えており、エミレーツ航空やフィンエアーが日本路線の運航を順次再開するなど、国際間の渡航を巡る情勢が変わりつつある。
訪日外国人数の月次推移と市場別の数値は以下のとおり。