ANAホールディングスが発表した2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)第1四半期連結決算は、営業損益が1590億円の赤字(前年同期は161億円の黒字)、純損益は1088億円の赤字(同114億円の黒字)となった。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、旅行需要が著しく減退。運航規模抑制、人件費削減に取り組み営業費用を2000億円以上圧縮したものの、売上高が1216億円と前年同期より75.7%減少した。なお、新型コロナウイルスの収束時期が不透明なことから、2021年3月期の連結業績予想は依然未定としている。
国際線は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、各国の出入国規制の影響で深刻を極めた。運休・減便を進める一方で海外に駐在する邦人の帰国需要などに対応し前年同期比13.8%で運航したものの、旅客収入は同94.2%減の95億円、旅客数は同96.3%減の9万1000人にとどまった。需要を示す旅客キロも95.2%減となった。
また、2月から新型コロナウイルスの影響を受けていた国内線も、4月に緊急事態宣言が発令されたことでさらに需要が減退。旅客収入は同86.5%減の224億円、旅客数は88.2%減の127万8000人、旅客キロは同88.1%減だった。ただ、運航規模は5月に同14.8%まで低下したものの、緊急事態宣言解除後、徐々に増加。8月は同72.4%までの回復を予定している。
LCCについても、国際線を3月中旬から全路線で運休。国内線は同42%の規模で運航し、旅客収入は同91.6%減の17億円、旅客数は91%減の17万3000人にとどまったが、7月には運航規模を前年並みまで回復させており、8月からは新規路線を開設するなど国際線のネットワークを拡充する。