国際航空運送協会(IATA)は、最新の世界の乗客予測を発表した。旅客需要の回復はさらに遅くなり、新型コロナウイルス発生以前の2019年レベルに回復するのは、前回の予測よりもさらに1年遅い2024年になるとの見込みを示した。
また、短距離路線の需要は長距離路線よりも早く回復するが、2019年レベルに回復するのは、前回の予測から1年遅い2023年になると予測した。
その要因として、アメリカおよび発展途上国でのウィルス封じ込みがうまくいっていないこと、出張需要が減少していること、旅行者の安全性の信頼が不十分なことを挙げている。
2020年6月の旅客輸送も予想より回復は遅く、需要を表すRPK(旅客キロ)は前年比85%減。5月の同91%減よりは若干回復を見せた。これは中国の国内線需要が改善したことが大きな要因。このような状況から、IATAでは2020年の世界の旅客数は最終的に同55%減になるとし、その予測は前回予測の同46%減よりもさらに悪化した。
また、2021年の旅客数は、2020年比では62%増と予測するが、2019年比では依然として30%減にとどまると見ている。
IATAは、航空旅客だけでなく、航空貨物の回復ペースも前回予想よりも遅れているとしている。6月のCTK (貨物トンキロ)は前年比17.6%減。5月の同20.1%減からは改善されているが、そのペースは緩やかに終わった。地域別に見ると、ヨーロッパ(同27.2%減)と南米(同33.2%減)の落ち込みが大きく、アジア太平洋も同21.6%減となった。