東京商工リサーチによると、2020年7月の「宿泊業」の倒産は7件となり、5カ月ぶりに前年同月(9件)を下回った。新型コロナウイルスの影響で、4月(25件)、5月(10件)、6月(16件)と厳しい業況が続く中、件数が1桁台となったのも4カ月ぶり。政府による新型コロナ対策の持続化給付金や民間金融機関の返済猶予など、資金繰り支援策が効果を上げる一方、1~7月累計の倒産件数は79件に達し、2019年1~12月の75件をすでに上回った。
負債総額は前年同月比33.3%減の11億1200万円で、6カ月ぶりに前年同月を下回った。負債10億円以上の発生がなく、1億円未満が4件と過半数を占めた。最も大きかったのは長野県上田市の「別所観光ホテル」で、負債額は約5億100万円だった。
形態別では、破産が6件。民事再生法や会社更生法といった再生型の倒産はなかった。地域別では近畿3件を筆頭に、東北、関東、中部、北陸がそれぞれ1件と全国に広がっている。