JTB、コロナ禍で全社員参加型オンラインイベント開催、経営陣が新方針やデジタル化を語る

JTBは2020年12月7日から、全社員参加型オンラインコミュニケーションイベント「JTB Diversity Week 2020」を開催している。12月11日までの平日1週間にわたり、同社が7月に発表した新経営ビジョン「地球を舞台に『新』交流時代を切り拓く」に関する社長メッセージをはじめ、ダイバーシティ推進につながる各種取り組みをグループ全社員に向けて発信する試み。コロナ禍で旅行業の価値が問われるなか、経営メッセージを社員に直接伝えるとともに、多様な働き方に関する議論を深めることで、混沌とする日本で、社員一人ひとりの理解を深め、共感、自分事化、変革行動につなげるねらいだ。

12月7日に配信したオープニング動画では、グループ社内延べ2000名以上の応募が寄せられた現場の笑顔あふれる働く姿の画像を放映。JTB代表取締役社長執行役員の山北栄二郎氏は、「JTBグループは創業108年のお客様、サプライヤーとの関係で培ってきた人の力が財産。デジタルマーケティングをはじめ、新しい会社のビジョンや事業戦略を社員が理解し、それぞれのダイバーシティを起こしてひとつに寄せることで、コロナ禍を乗り切り、将来を切り拓いていきたい」と宣言した。

JTBによると、このイベントは従来、社員向けに多様な人材を積極的に活用するダイバーシティを推進する場として実施していたが、コロナ禍で経営、働き方の変革が問われるなか、経営陣自らがオンラインイベントに参加することで将来の方針を示すとともに、日本の観光再生を左右する東京オリンピック・パラリンピック大会へのコミュニケーション活動を活発化するねらいもある。

山北氏の挨拶に続き、12月7日配信した基調講演に登壇したのは、常務執行役員経営戦略本部CIO福本伸昭氏だ。福本氏は、「JTBグループの未来をデジタルから考える」をテーマに語り、コロナ禍に加え、近年のOTAの台頭、さらにGoogleによる旅行サービス拡充といった近未来の脅威が押し寄せる環境を分析しつつ、JTBグループがこれからも成長していくためには、「ソリューションを強化する一方で、JTBグループではその基盤が順次できつつある。そのうえで、お客様の『実感価値』を追求していくヒューマンタッチな社員の力が必要だ」などと言及した。

イベントは、グループ社員専用の動画サイト「J-TUBE LIVE!」を通じて配信。経営陣セッションからJTBグループのデジタル活用の方向性、女性のキャリアップ、ボランティアや副業など社会活動とキャリア形成のセッションまで、幅広いテーマで構成する。手話通訳も同時に行われている。

未曾有のコロナ禍で旅行業が危機に晒されるなか、業界ガリバーがグループ社員に経営陣自らが直接送ったメッセージに込められた思いは深い。山北氏、福本氏による講演、現場のJTB社員が参加するワークスタイルセッションについては後日詳報する。

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