【年頭所感】ANAホールディングス代表 片野坂真哉氏 -危機を乗り切り、再び成長軌道に戻す一年に

ANAホールディングス代表取締役社長の片野坂真哉氏が、2021年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

片野坂氏はコロナ禍に見舞われた2020年を、「人の力に支えられた年」と回顧。今年こそ、人類全員の知恵と努力でコロナを制圧し、安心、安全な社会を取り戻す年にしなければならないと展望した。そして、正念場の2021年を乗り切る重要な5つのポイントとして、「安全」「営業キャッシュフロー」「スピード」「コスト削減」「人」を提示。「安全」を第一に危機を乗り切り、再び成長軌道に戻す年にしていく決意を述べている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2021年 年頭所感 ―安全を守り、コロナに勝つ ~危機を乗り切り、再び成長軌道に戻す一年に~

年末年始は、新型コロナウイルス感染再拡大の影響により、平年の賑わいから程遠い利用率となりました。それでも、この状況下でもANAグループの航空便をご利用頂いたお客様に、心より御礼申し上げたいと思います。

昨年の新年挨拶では、成長の源泉である「人」にこだわる年にしたいと申し上げましたが、まさに2020年は、本当に我慢強く、力を発揮した年になりました。感染不安の中、ANA Care Promiseなど清潔で衛生的な環境を確保し、またリモートワークなど新しい生活環境の変化の中で、安全を守り、日々の業務を遂行してまいりました。武漢チャーター、医療用のガウンの縫製ボランティア活動をはじめ、ANAグループ社員の取り組みが、社会から高く評価を頂きました。まさに「人の力」に支えられた年となりました。

新年のスタートにあたり、私たちは、危機感を常に持ち、そして必ず良くなるという希望を忘れず進んでまいります。この正念場の1年を乗り切るための重要なポイントとして以下の5つを挙げます。

  1. 「安全」:何と言ってもエアライングループにとっては安全が第一です。
  2. 「営業キャッシュフロー」:今はまだマイナスが続いていますが、早期に単月でのプラスを目指します。
  3. 「スピード」:コロナ影響の長期化を覚悟し、資金の確保を続ける目的は「ANAグループの新しいビジネスモデルへの変革」を加速させることにあります。社会や人々の意識が変わる、航空需要も大きく変化するという予測を立て、ANAのこれまでのサービスモデルを思い切って変えていきます。重要なことは、スピードにあります。なぜなら、生き延びようとしているのは他の競合エアラインも同じであり、新しいサービスやマーケティングの打ち手を繰り出してくるからです。危機を乗り切るアイデアや取り組みについて、多様な意見を積極的に取り入れていきます。
  4. 「コスト削減」:2020年度は約1,500億円、2021年度は約2,500億円のコスト削減を行います。機材費、整備費、人件費、賃料、調達改革など2年間で約4,000億円の実行に着手しています。コロナ禍の長期化と収入の不透明な中で、確実に利益を出していくために、2021年度は確実な一歩を踏み出す年です。
  5. 「人」:今年も変わりません。エアラインビジネスはまさに「人」の移動で成り立っています。そしてそのビジネスを支えるのは、ANAグループのこれも「人」です。雇用を守るという宣言を行い、資金の続く限り堅持する考えは少しも変わりません。このコロナ禍により、リモートワークのみならず、ANAグループは採用や雇用、働き方の分野で新しい時代の流れを取り入れていきます。

今年こそ、人類全員の知恵と努力により、この新型コロナウイルスを制圧し、安心、安全な社会を取り戻す年にしなければなりません。私たちは、「安全」を第一に、自分たちの力で、コロナ禍の危機を乗り切り、再び成長軌道に戻っていく、そういう年にしてまいります。ANAグループ4万6千人の「あんしん、あったか、あかるく元気!」な「人の力」で、前を向いて進んでまいります。

ANAホールディングス株式会社

代表取締役社長 片野坂真哉

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