阪急交通社代表取締役社長の酒井淳氏が、2021年を迎えた年頭所感を発表した。
酒井氏は、新型コロナウイルスによる未曾有の危機に見舞われるなか、2021年はデジタルトランスフォーメーション(DX)の象徴的な年になるとの認識を示し、新たな価値提供を行うとともに、安心と安全を担保した旅行商品を提供できる環境を整えていく大事な年であると明言した。特にデジタル化については、販売チャネルにおけるウェブ強化や顧客接点におけるオンラインの利用、テレワークやクラウド環境の活用による業務の効率化などを推進していくとしている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
2021年 年頭所感
謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
2020年は、世界規模で新型コロナウイルスによる未曾有の危機に見舞われ、あらゆる業種を取り巻く環境が大きく変貌しました。感染症と向き合う生活様式や社会全体の仕組みと構造の「変化」は、ニューノーマルへの対応を余儀なくさせ、様々な規制改革、デジタル化推進、経済再生は企業が率先して取り組むべき課題として位置づけられました。
こうした変化の中で旅行業界への施策であるGoToトラベル事業が「経済と感染対策の両立」を目的に7月後半より開始され、アクセルとブレーキを繰り返しながらも需要の回復に寄与することとなりました。
2021年は、ウイズコロナ、ポストコロナにおける新しい社会に向けての変化が加速的に進むとみられ、デジタルトランスフォーメーションの象徴的な年になるのではないかと思われます。当業界では、諸外国との渡航再開による海外旅行、訪日旅行の需要回復には、まだ時間がかかることが想定されるものの、新しい社会とライフスタイルを見据えたうえで、新たな価値提供を行うことは急務であり、それと同時に、安心と安全を担保した旅行商品を提供できる環境を整えていく大事な年であるとも考えます。
当社では、こうした「変化」の時代をきっかけに、「新しいものを生み出す」一歩の年にしたいと考え、以下に取り組みます。
第一に、ニューノーマルの時代における「安心と安全のサービスの提供」を実現するバリューチェーンの構築。
第二に、国内旅行強化においては、添乗員同行の募集型企画旅行の充実はもちろんのこと、従来の個人型商品にダイナミックパッケージを加えることで、多様化市場に対応した品揃えの実現。
第三に、社会の変化やスピードに対応するためのデジタル化の推進。販売チャネルにおけるウエブ強化や顧客接点におけるオンラインの利用、デジタルマーケティングの促進、テレワークやクラウド環境の活用による業務の効率化など。
海外旅行の復活が望まれ、また国内のさらなる需要増が待たれますが、社内外における感染予防対策と旅行商品の品質管理を一層徹底することで、お客様が期待する旅行サービスの提供に全力を尽くしてまいりますので、引き続きご支援ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。