JALは、2021年3月期第3四半期(2020年4月1日~12月31日)の決算を発表し、通期の業績予想について、売上収益を5300億円~6000億円から4600億円に、当期純損失を2400億円~2700億円から3000億円にそれぞれ下方修正した。JALでは、現時点における今期末までの国際線および国内線の予約状況などに基づいて旅客収入を見積もった結果としている。
第3四半期の累計売上収益は前年同期比68%減の3565億円。営業費用を同34.8%減の6554億円に抑制したものの、EBIT(財務・法人所得税前利益)は2941億円の損失を計上し、純損益は前年同期の748億円の黒字から2127億円の赤字に転落した。
売上収益のうち、国際旅客事業では、旅客数が同96.6%減となったことから、旅客収入は同95.3%減の188億円と大幅減。国内旅客事業については、昨年10月にGoToトラベルキャンペーン対象に東京都が加えられたこともあり、順調に回復していたが、12月以降の感染者数の再増加などにより再び需要が大きく減少。その結果、旅客数は同66.7%減、旅客収入は同68.0%減の1369億円となった。
一方、貨物・郵便事業は好調に推移。旅客機を利用した貨物専用便を引き続き多数運航したほか、他社貨物機を利用した大口需要の取り込みを進めた結果、同31.5%増の909億円と増収となった。
JALは、コスト削減を進めているが、通期の固定費については当初目標600億円の2倍強にあたる1200億円以上を削減できる見通し。
また、2021年3月末時点で手元現預金残高は約3700億円を確保し、自己資本比率は44.2%を見込んでいる。