旅行大手トリップ・ドットコム(Trip.com)グループは、2021年の春節の中国人旅行者の傾向を公開した。今年は、新型コロナの感染拡大防止のため、中国政府は国民に旅行の自粛を呼び掛けている。当局では、期間中に移動する中国人は前年比40%減となると見ているが、それでもその数は17億人にのぼる。
そんな中、同グループ傘下の中国大手旅行シートリップ(Ctrip)の検索データからは、居住地エリアでの旅行を探す傾向がみてとれた。
春節期間、シートリップのサイトでは、居住地エリアの検索件数が前年比260%増となり、検索ボリューム全体の40%を占めた。特に、上海、湖州、広州、成都、重慶、武漢、貴陽、寧波、長沙、鄭州でのローカル旅行客が増加し、なかでも上海が約61%増、湖州が約55%増、成都と重慶が約40%増と大きく増加した。
この傾向は、10代と20代の若者でも同様で、地元観光地の検索率は前年比で127%増加した。
また、目的地では、成都の「西岭」雪山、湖州の「云上草原」スキー場、貴陽の「万象」温泉、西安の「臨潼悦椿」温泉はいずれも検索が上昇。綿陽の九皇山、四川の峨眉山、成都の青城山、重慶の金仏山なども含め、自然に触れることを好む傾向も顕著に表れた。
例年とは異なるトレンドとしては、地域の中国共産党の歴史や革命の舞台を巡る「赤色観光」に注目が集まったという。
さらに、ホテルでの春節(年越し)も、地元で春節を過ごす方法として人気が高まり、春節期間中のホテル予約の66.8%は高級ホテルが占める結果となった。