新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、インバウンドだけでなく、日本人の海外旅行市場(アウトバウンド)にも大きな打撃を与えた。2020年の日本人出国者数は前年比84.2%減の317万4200人。これを各国・地域の統計機関によるデータに基づき、韓国・台湾・香港の3市場でみると、韓国は86.8%減の43万742人、台湾は87.6%減の26万9659人、香港は95.3%減の5万320人だった。特に香港は、コロナ禍に加え、2019年からの暴動が長期化していることが響いた。
2020年までの10年間推移は以下のとおり。中国については2016年3月以降の数字が未発表のため、本グラフの更新対象から除外している。
需要の落ち込みに伴い、航空会社の供給量も減少している。航空データOAGによると、2020年に日本から東アジア3カ国・地域に出発した国際線の実績合計は、便数が72.1%減の3万3391便、提供座席数が72.7%減の708万9752席で、7割マイナスの水準だった。
国・地域別では、韓国が68.7%減/1万8908便、69.2%減/369万271席、台湾が72.8%減/1万83便、73%減/226万5983席、香港が80%減/4400便、79.7%減/113万3498席だった。
また、2020年12月の日本からの渡航者数は、韓国が前年同月比99.6%減の951人、台湾が99.6%減の893人、香港が99.9%減の26人だった。