世界の航空会社の損失が5.2兆円に改善か、国際航空運送協会が2021年予測、国際線は今年後半からの需要回復へ

国際航空運送協会(IATA)は、2021年の航空会社の損失額は477億ドル(約5.2兆円)、純利益率はマイナス10.4%になるとの予測を発表した。2020年の損失額1264億ドル(約13.7兆円)、純利益率マイナス33.9%からは改善する見通しだが、引き続き厳し状況が続く見込みだ。

国内旅行の需要は回復しているものの、海外旅行は各国が旅行制限を続けているため引き続き低迷。2021年には24億人が航空を利用すると推定されるも、2019年の45億人よりもかなり少なく、航空会社は全体で810億ドル(約8.8兆円)もの現金を使い果たすと見ている。2021年のRPK(旅客キロ)は、前年比で26%改善するものの、2019年レベルの43%にとどまる見込み。

2021年1月と2月の国際線旅客数は、2019年比で86.6%減。しかし、IATAでは米国やヨーロッパでワクチン接種が進むことから、年末にかけて需要の回復は強くなると見ている。

国内線旅客数については、2021年後半には2019年レベルの96%に回復すると推定している。

航空会社の収益については、2020年の3720億ドル(約40.2兆円)から今年は4580億ドル(約49.5兆円)に増加するが、2019年の8380億ドル(約90.5兆円)の55%にとどまる見込み。このうち、旅客収入は、2019年の6070億ドル(約65.6兆円)にはかなり及ばないものの、2020年の1890億ドル(約20.4兆円)から2310億ドル(約25兆円)に増加すると見ている。

一方、貨物収入は、2019年の1010億ドル(約10.9兆円)、2020年の1280億ドル(約12.8兆円)を超え、過去最高の1520億ドル(約16.4兆円)に達すると予測。貨物収益が全体の3分の1を占めることになる。

2021年の収益を地域別に見ると、最も損失額が大きのはヨーロッパで220億ドル(約2.4兆円)。次いでアジア太平洋の105億ドル(約1.1兆円)。北米は50億ドル(約5400億円)になると予測している。

※ドル円換算は1ドル108円でトラベルボイス編集部が算出

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