オーストラリアは2022年2月21日、世界でも最も厳格といわれた水際対策を大幅に緩和し、ワクチン接種を完了した海外旅行者の受け入れを再開した。
AP通信によると、ダン・テハン連邦観光大臣が、現地時間午前6時20分にロサンゼルスからシドニー空港に到着したカンタス航空便を歓迎。地元テレビ局に対して「オーストラリアの観光には非常に強い回復力がある。現地体験の魅力は失われていない」と語った。
また、カレン・アンドリュース内務大臣は、全豪オープンでのノバク・ジョコビッチ選手の入国問題に触れ、「同じ過ちを起こさないために、すべての旅行者のワクチン接種状況は到着前に確認される」ことを明らかにした。
ジョコビッチ選手は1月、スペインを離れる前、自動化プロセスでビザが発行されたが、ワクチン接種を受けていなかったために、メルボルンに到着後に入国を拒否された。
オーストラリア政府観光局マネージング・ディレクターのフィリッパ・ハリソン氏は、「素晴らしい再開だ。これが観光業界が求めていたもの」との歓迎の意を示したが、観光客数がパンデミック前の水準に回復するには2年ほど時間がかかると見ている。
国境が再開された2月21日には、カンタス航空はロサンゼルスのほか、バンクーバー、シンガホール、ロンドン、デリーなど8都市から旅行者を運んだ。同航空CEOのアラン・ジョイス氏によると、政府が水際対策の緩和を発表した2週間前から予約は好調に伸びているという。
スコット・モリソン首相は、国境再開の日には56便の国際線がオーストラリアに到着し、ビザ保有者は120万人に及ぶことを明らかにしている。
オーストラリアは、世界でも最も厳しい水際対策を課した国のひとつ。昨年11月の緩和では、留学生と技能者の入国が優先的に認められ、ニュージーランド、日本、韓国などからの観光客の入国も許可されていた。
オーストラリア国内では、州・準州ごとにそれぞれ独自のコロナ規制があり、西オーストラリア州が最も厳しい対策をとっている。