AP通信によると、欧州連合(EU)は、空港および機内でのマスク着用は必要ないとする新しいガイドラインを発表した。これは、欧州疾病予防管理センターと共同で出されたもの。新型コロナウイルスの感染状況、ワクチン接種の進展、感染からの回復者の増加などともに、加盟各国で様々な制限が解除されていることから、決定した。
新しいガイドラインは2022年5月16日から適用されるが、規制が異なる目的地に飛行する場合や、航空会社の対応によって、変更することは可能となる。例えば、ドイツ保健省は、6歳以上の乗客について、機内では食事中を除いてマスクの着用を求めていく方針を明らかにしている。
欧州疾病予防管理センターは、一般的な感染予防として手洗いとソーシャルディスタンスは引き続き実践されるべきとしているが、空港に対しては、ソーシャルディスタンスは空港の運営に支障を与える恐れがあることから、遵守する必要はないとの立場をとっている。
また、将来、コロナウイルスの新規亜種が出現する場合に備えて、航空会社は乗客情報を収集するシステムをいつでも稼働できるようにしておくべだとした。
国際航空運送協会(IATA)は、今回の欧州連合のガイドラインを歓迎。ウィリー・ウォルシュ事務局長は「これは、航空旅客が通常の状態に戻る重要なステップのひとつ。高周波空気交換や高効率フィルターなど多くの機能によって、機内は最も安全な屋内環境のひとつとなっている。乗客は、自信を持って航空旅行を楽しめるはずだ」と述べている。
一方で、「機内でのマスク着用は世界的に統一されたものではない。航空会社は、運航しているルートに適用される規制に準拠する必要がある。乗客は、乗務員の指示に従い、マスクを着用している他の乗客も尊重すべきだ」と付け加えた。
フランスでは地下鉄、バス、鉄道、航空国内線での着用義務を撤廃することを決めるなど、欧州各国では公共交通機関でのマスク着用ルールの緩和が進んでいる。